痰が絡むということは、体に何らかの異常が起きているサインであることが多く、歳だからといって見過ごすのは大変危険です。実際には検査が必要ですが、痰の色や性状から病気かもしれないと気がつくことが大切です。
痰が絡む 原因 についてお伝えします。
痰が絡む原因とは?痰の色と性状から見る病気
痰とはなにか?
通常時でも呼吸器の粘膜から分泌された粘液1日100ml産生・吸収されています。唾液と共に嚥下や吸収されていますが、異常があると粘液が過剰に分泌され痰として排出します。
痰は、異物の刺激によって粘液が増加し異物を取り込んで痰を作り出します。作られた痰を、体外に排出するために咳や嚥下などによって気道から排出し、呼吸器を守ろうとします。
痰が絡むなどの認識ができる状態というのは、何らかの原因によって呼吸器が、侵されている状態と考えられるのではないでしょうか。
痰が絡む代表的な原因とは?
痰が絡む代表的な原因としては、風邪などの急性疾患から、慢性気管支炎や閉塞性換気障害などの慢性疾患の呼吸器疾患・人工呼吸管理・寝たきり状態や活動に制限がある体動困難者・乾燥・喫煙などによって、気道は簡単に障害を受ける特性を持っています。
子どもや高齢者は、病気にもかかりやすく、重症化しやすいので注意が必要です。
「膿性」の痰が絡む原因
細菌や白血球・細胞などの組織を含む痰は、色味をもち「膿性」の痰が絡みます。白黄色~淡黄色の痰が絡む場合では、急性咽頭炎や急性気管支炎、急性肺炎といった細菌性感染症が疑われます。
緑黄色から緑色の痰が絡む場合は、びまん性汎細気管支炎や慢性気管支炎、気管支拡張症などの増悪期に見られ、緑膿菌の色素や古い痰もこのような色になります。
インフルエンザや副鼻腔炎でもこのような色の痰が絡むことがあります。
特に濃い緑色の場合は、緑膿菌感染やインフルエンザ桿菌が疑われます。
さび色の痰が絡む場合は、肺炎球菌性肺炎や肺腫瘍、肺化膿症などにみられます。原因は肺炎球菌が関連する腫瘍や肺腫瘍によって破壊された組織が混入した場合です。
嫌気性菌などが原因の場合は、独特の臭気を伴うことがあります。
「泡沫性」の痰が絡む原因
肺循環のうっ血による泡沫性の痰が絡む原因は、肺水腫によくみられる症状です。肺毛細血管から漏れた血液と、肺胞からの空気が混ざり合いピンク色の泡沫性の痰が絡みます。
呼吸苦などの症状も出てくるので注意が必要です。
「粘液性」の痰が絡む原因
杯細胞や気管支線などからの過剰分泌による痰です。透明~白色の痰が絡みます。
アレルギー性気管支炎や非細菌性感染症、慢性閉塞性肺疾患に多く見られます。ズルズルと痰が絡むので、日常的に咳き込んだりすることがあります。呼吸が慢性的に息苦しいこともあり、日常的にパルスオキシメーター(血中酸素濃度)の測定も必要です。
慢性閉塞性肺疾患では、肺炎になるリスクも高く、感染症には特に注意が必要です。
「漿液性」の痰が絡む原因
風邪などの急性疾患から、慢性気管支炎や閉塞性換気障害などの慢性疾患があげられ、痰が絡みます。
粘り気がなくサラサラとした水っぽい痰が漿液性の痰です。肺胞上皮癌や気管支喘息でこのような痰がらみが多く見られます。毛細血管の透過性亢進によるもので、血管内の水分が過剰に出てきてしまうためです。
癌などによって抵抗力の低下がある、気管支喘息を患っている方は、季節の変わり目や感染症流行期には感染リスクが高まります。
マスクの着用や手洗い・うがいは励行したいものです。
「血」が混ざった痰が絡む原因
肺血管の破たんによる出血により血液が混入し痰が絡むことを「血痰」といいます。必ずしも、呼吸器系の疾患で出血するとは限らないので注意が必要です。
全体的に紅い血液が混入した痰が絡む場合には、下気道の問題によることが多く、肺がんや肺結核、肺真菌症、気管支拡張症、肺梗塞などがあげられます。
自己免疫疾患のグッドパスチャー症候群では腎炎と肺胞の出血よって血痰が絡みます。痰に糸状の血液が絡むことがありますが、咽頭や喉頭に原因があることが多く心配のいらないこともあります。
気になる症状はある場合には、必ず受診し、検査されることをおすすめします。
まとめ
痰が絡む原因とは?痰の色と性状から見る病気
痰とはなにか?
痰が絡む代表的な原因とは?
「膿性」の痰が絡む原因
「泡沫性」の痰が絡む原因
「粘液性」の痰が絡む原因
「漿液性」の痰が絡む原因
「血」が混ざった痰が絡む原因