胆嚢ポリープ の約90%はコレステロールポリープで、胆汁に含まれるコレステロールが胆嚢壁に沈着・ポリープ化したものです。このポリープは、肥満につながるような食生活が 原因 と考えられています。
炎症性ポリープは、胆嚢炎などの炎症が原因です。他ポリープは原因不明ですが、ほとんどが良性のものです。
胆嚢ポリープの原因は何ですか?
胆嚢ポリープとは
胆嚢の粘膜にできる20mm以下の隆起病変の総称を胆嚢ポリープといいます。良性のものがほとんどですが、胆嚢がんの場合もありますので、ポリ-プと診断されたら医療機関で精密検査を受ける必要があります。
胆嚢ポリープの種類は、非腫瘍性ポリープのコレステロール、腺腫性、過形成、炎症性ポリープと腫瘍性ポリープの胆嚢がんがあります。コレステロールポリープの多くは5mm以下のものです。
胆嚢の粘膜表面の細胞が異常に増殖したものが過形成ポリープで、慢性・急性胆嚢炎などの炎症で胆嚢上皮と粘膜組織がポリープ状になったものが炎症性ポリープです。
通常、良性の線種性ポリープは、まれに異型細胞をともなうことがあり、胆嚢がんになる場合があります。10mm以上になった場合は注意が必要です。
今回は、胆嚢ポリープの原因・予防についてお話します。
胆嚢ポリープの原因は、胆嚢線筋腫症の場合は胆嚢壁が厚くなることに起因しています。コレステロールポリープの場合は、胆汁中コレステロールによるもので、食事が原因になります。脂肪分の多い食事は、胆嚢ポリープの発生リスクを高めます。
魚やエゴマ油に含まれるEPA、DHAやαリノレン酸などはコレステロール値を下げる効果があります。また、食物繊維の摂取や糖分の摂取量を抑えることも推奨されます。基礎代謝がおちる40~50歳代の5~10%の人に胆嚢ポリープがみつかっています。
胆嚢ポリープの症状
胆嚢ポリープが非腫瘍性ポリープであれば症状はほとんどなく、検診や人間ドックなどの腹部超音波検査でみつかります。非腫瘍性であっても胆石症や胆嚢炎などを合併している場合は、みぞおちの痛みや不快感がでます。
また、ポリープが腫瘍性(悪性)の場合は、がんの進行にともなって鈍痛や体重減少、発熱や黄疸、下痢など胆嚢がんの症状がみられます。
胆嚢ポリープの検査
胆嚢ポリープの検査には、肝機能・胆道系酵素の異常や腫瘍マーカーのチェックをする血液検査、胆嚢病変を検査する腹部超音波検査・超音波内視鏡検査、胆嚢がんが考慮される場合などに造影CT検査、ポリープががんであるか否かを検査する内視鏡的逆行性胆道造影検査があります。
5mm以下のポリープは1年ごと、6~10mmは6ヶ月ごとに超音波検査を行って、大きさやがん化の兆候を定期的に確認します。10mmを超えるものは超音波内視鏡などで精密検査を行います。
胆嚢ポリープの治療
胆嚢ポリープと診断された人、全ての人が治療を要するとは限りません。胆嚢がんが存在する可能性がある人が対象となります。胆嚢ポリープの治療とは、胆嚢の摘出手術です。
治療が必要な人とは、10mm以上のポリープ、経過観察でポリープが大きくなってきている、ポリープの大小にかかわらずポリープの茎が幅広いもの(広基性病変)、超音波検査でがんが疑われる所見(充実性低エコー所見)がある場合、血液検査で腫瘍マーカー(CA19-9、CEA、DUPAN-2,SPAN-1など),PDG-PET検査、細胞診などで悪性が否定できない場合は胆嚢摘出手術が必要です。
胆嚢がんが確定した場合は、開腹手術が施行されますが、がんが疑われるポリープの場合は、腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われます。大きさが10mmを超える胆嚢ポリープの25%にがんが確認されています。
腹腔鏡下胆嚢摘出術
胆嚢がんが疑われる場合、炎症がある場合、穴があいている場合、胆嚢水腫など、胆嚢を摘出した方が良いと判断された場合に行われます。腹部に数カ所穴をあけて胆嚢を摘出する方法です。開腹手術に比べ、身体への負荷が少なく入院期間も短くなります。
まとめ
胆嚢ポリープの原因は何ですか?
胆嚢ポリープとは
胆嚢ポリープの症状
胆嚢ポリープの検査
胆嚢ポリープの治療
腹腔鏡下胆嚢摘出術