「突発性難聴の見逃せない初期症状について(前編)」では、突発性難聴とはどのような病気であるのかご紹介いたしました。後編では、突発性難聴 の原因と 初期症状 に対する対応をご紹介いたします。
突発性難聴の見逃せない初期症状について(後編)
突発性難聴の原因と考えられているものについて
基本的に突発性難聴の場合、原因がよくわからないことが多々あります。そのような中でも、もしかしたら原因ではないかと考えられていることがあります。
一つ目は、ストレスです。ストレスはあらゆる身体の部分を不調にさせるものですが、突発性難聴の場合も可能性としてあげられています。ストレスにより内耳の血流が悪くなり、神経が影響をうける可能性があります。
患者さんの中には、仕事が忙しく人間関係にも悩まされて、ストレスや疲れが溜まっていると強く感じているときに初期症状があらわれたという方もいらっしゃいます。
二つ目は、内耳循環障害と考えられることがあります。こちらは、ストレスの影響という訳ではなく、内耳の血流が悪くなることで、機能が低下するのではないかというものです。
血流不足の原因は内耳の血管内に血液が詰まったり、内耳内の血管から微量に出血しているという理由でおこるのではないかといわれています。血流不足は高齢者の方ほど起こりやすいといわれていますので注意は必要です。
三つめは、ウイルスによるものです。突発性難聴になる前に風邪を引いていたという方が多いため、風邪のウイルスがなんらかの原因で内耳に入り炎症を起こすのではないかということです。
治療薬としてステロイドを使用した場合に、一定の効果があらわれることが多いということから、感染症の可能性もあるとされています。
初期症状での対策の大切さについて
初期症状を見逃さないでほしいということをおわかりいただけたと思います。初期症状は突然におこるかもしれませんが、そのサインを絶対に見逃さないでほしいのです。耳に関して、痛みとかかゆいとか具体的に耳自体に症状がでるものではありません。
耳が詰まった感じがする、声が聞き取りにくい、めまいがして気分が悪いなど、もしかしたら別の病気を疑う可能性も少なくはありません。しかし、耳に不快な違和感がある場合には、できる限り早い段階で耳鼻科を受診することが大切です。
疲れすぎたからだと決めつけず、放置しないようにしましょう。突発性難聴は進行性の疾患であるため、発症して1ヶ月以上経過すると突発性難聴の症状が固定化してしまうために完治が難しくなるばかりか、難聴という後遺症を残す可能性が高くなります。
発症してから治療の開始の早さにより完治率は変わるのですが、一般的には約1/3が完治をして、残りの1/3が聴力は回復するが若干の後遺症が残る、さらに1/3が難聴などの後遺症が残るとされています。
再発率は0%といわてれているので、同じ耳が突発性難聴になることは基本的にはありません。とにかく、初期症状を感じたらすぐに病院にいくことが大切です。
今回は突発性難聴の見逃せない初期症状について、また初期症状での対策がいかに大切かということをお伝えいたしました。突発性難聴はたいへん辛い病気です。初期症状の段階でかなりパニックになる可能性もあります。
経験したことのない症状に不安もかなり強いとは思いますが、すぐに対処することで治癒率も上がりますし、もちろん辛い症状も軽減されます。
我慢するとか、少し様子をみるということではなく、できるだけ早く耳鼻科を受診することをお勧めします。きちんと治療をすればきっと回復する可能性はあります。
まとめ
突発性難聴の見逃せない初期症状について(後編)
突発性難聴の原因と考えられているものについて
初期症状での対策の大切さについて