糖尿病 は生活習慣病の一種です。他の生活習慣病と同じように 治療 を続ければ正常人と同じ生活が可能です。あきらめることはありません。もっとも全ての糖尿病患者が正常になるわけではありません。今まで一般的に糖尿病は、一旦なったら一生治らないというのが通説となっていました。
糖尿病は治療すれば通常の生活ができる確率の高い病気です
糖尿病患者は短命です
糖尿病は治療を施すことにより血糖値改善率が向上しています。最近の医学では血糖値改善確率が70%以上という数値が発表されています。
それでもまだまだ改善が難しい病気であり、糖尿病患者は日本人の平均寿命より大きく下回り短命です。男性は平均寿命より9.72歳短命で女性は13歳も短命です。
かなりショッキングな数値ですが、これが実態ですから、糖尿病にならない生活習慣を堅持する。そして、一旦なってしまったらなるべく早期に治療に入ることが非常に大切であることを示しています。
糖尿病はどんな病気?
糖尿病の定義は、インスリンという血糖値を下げるホルモンの作用が低下して、体内に取り入れた栄養素が使用されないで血液中のブドウ糖(血糖)が多くなっている状態のこと、となっています。
医学的な説明では高血糖状態を来す代謝疾患という言い方になっています。
血糖値を下げることは治療によって可能です。しかし体質自体(糖尿病になり易い)は改善ができません。糖尿病は治るとか治らないとかの言葉を本当は適当ではありません。治療を続けていけば限りなく正常値に近い範囲にコントロール可能です。一生健康な人と同じ状態でおられます。
インスリンとブドウ糖
糖尿病ではインスリンという言葉がキーワードです。インスリン(インシュリン)とは、血液中のブドウ糖と結合して筋肉や肝臓などへ取り込み、血糖を下げる働きのある唯一のホルモンです。膵臓で作られ、血液によって全身に運ばれます。
血糖の量を血糖値(血液中のブドウ糖の量)といいます。ブドウ糖の量です。ブドウ糖は糖分の中にあります。糖分は食事をして、つまり炭水化物(ご飯やパン、イモ類やお菓子など)を摂取して取り込みます。
食事をすると血糖値が上がります。膵臓のβ細胞がこの動きを素早くキャッチしてすぐにインスリンを分泌します。血糖が全身の臓器にとどくとインスリンの働きによって臓器は血糖を取り込みエネルギーとして作用したり、蓄えたり、人間の生命維持を行います。
食事によって血糖が増加しますがインスリンの働きによってすぐさま処理され一定の血糖量が維持されます。
ここで、インスリンの量が少なかったり、分泌されてもうまく働かなかったりすると血糖が一定の値を超えて高い状態になります。これが糖尿病です。
糖尿病の治療
糖尿病の治療には食事療法、運動療法、薬物療法の3種類あります。通常はこれらを組み合わせて治療が行われます。食事療法と運動療法が治療の中心となります。
治療方針は患者の血液から採取して血糖値を出し、これが基準となります。通常行われている血糖値は3種類あり、この数値により治療方針が決められます。
血糖値
一般的な血糖値で空腹時100mg/dlから110mg/dl、食後2時間後140mg/dlが正常値、これを超えると糖尿病です。
ヘモグロビン・エイワンシ(HbA1c)
医療機関で通常使われている血糖値で正常値は4.3~5.8%です。数値が大きいほど血糖値が高いということです。
フルクトサミン(FRA)
HbA1cは1~2ヶ月前の血糖状態を知ることができますが、直前の内容はわからないため、この数値も使われます。正常値は205~280μmol/lです。
食事療法
食べる量と食べ方で血糖値を管理しようとする療法です。バランスの取れた食事、野菜多め、おかずが先でご飯は後から、食べ過ぎない、1日3食の徹底、よく噛んで食べるなどの指導が行われます。
運動療法
運動すると体はエネルギーとしてブドウ糖を消費します。運動によって効率よく糖分を消費させるのが目的です。有酸素運動が有効です。(ジョギング、体操、水泳など)
最低15分間は休憩なしで連続して運動することがコツです。食後30分から1時間後、血糖値が最も上がる時間です。この時間をめがけて運動すると最も効果的です。
薬物療法
食事療法と運動療法によって血糖のコントロールができなくなった場合に薬物療法を行います。糖尿病の経口薬(飲み薬)にはインスリンの分泌を促進させる薬とインスリンの働きをよくする薬、糖分の吸収を緩やかにする薬の3種類あります。
この3種類の薬とインスリンの注射薬を患者の状態に合わせて使い分けします。怖い合併症を防止するには、食事療法と運動療法をきちんと行った上で薬物療法を行わなければなりません。
まとめ
糖尿病は治療すれば通常の生活ができる確率の高い病気です
糖尿病患者は短命です
糖尿病はどんな病気?
インスリンとブドウ糖
糖尿病の治療