糖尿病は、慢性の高血糖を主徴する疾患で、発症には環境や遺伝など、いろいろな要因が挙げられています。糖尿病が発症すると、一生の付き合いになります。
なぜなら、完全に治ることがないと言われているからです。となれば、正しい知識と理解、それから、上手に糖尿病と向き合っていくことが大事になります。それでは、 糖尿病 と 三大合併症 の中身について見ていくことにいたしましょう。
糖尿病がもたらす三大合併症の怖さ(前編)
糖尿病って、どんな病気?
血液中のブドウ糖は、時間が経つとエネルギーに代わり、少なくなるのが普通なのですが、糖尿病になると、それが少なくならずに、血液中に留まってしまいます。これは、エネルギーの供給を担う代謝系のひとつである、糖代謝系に異常を生じているわけで、結果的には様々な合併症を引き起こします。
皆さんも一度はインシュリンという言葉、お聞きになったのではないでしょうか。インシュリンは膵臓内のランゲルハンス島という内分泌組織で作られています。
実は、このインシュリンが糖代謝に大きな役割を果たしています。つまり、インシュリンの作用が不足したり、低下したりすることで、エネルギーをつくる機構や、たんぱく質、脂肪を作る機構が作用しなくなり、このために、血液中のブドウ糖の値(血糖値)は高いまま推移します。これが糖尿病なのです。
どうして糖尿病になるの?
先に糖尿病は環境や遺伝が関係していると述べましたが、中でも、糖尿病になる素質が最も高い原因であると考えられます。それに、肥満、運動不足、ストレスが微妙にかかわっていると考えられます。
本来ならば、私たちの身体はインシュリンの働きで、血糖値は一定の数値を示します。ところが肥満すると、脂肪細胞の一個一個が大きくなり、インシュリンの感受性が低くなり、血糖値が異常を示すようになるのです。
糖尿病にはⅠ型糖尿病とⅡ型糖尿病があります。私たち日本人に多いのはⅡ型糖尿病で、全体の95%を占めています。これまでも何回か環境因子について言ってきましたが、まさに、それに当てはまるのがⅡ型糖尿病なのです。
もっとはっきり言えば、環境因子=生活習慣ということで、暴飲暴食、ストレス、運動不足が代表的な原因で、糖尿病が生活習慣病と言われる所以は、実はここにあります。
糖尿病の症状
自覚症状がないと言われている糖尿病ですが、ちゃんと分かり易い症状を見せています。例えば、のどが渇く、尿量が多い、だるさを感じる、体重が落ちている、などの変化が現れます。
このあたりが感染症に罹患した時のように、熱が出るとか、咳が出るとか、直接目に見える症状ではないので分かり難いかも知れません。しかしながら、夜中に何回もトイレに行き、大量に尿が出る場合に遭遇したら、まずは糖尿病を疑います。
ほとんどの糖尿病(インシュリン非依存型)は気づかないうちにはじまり、健康診断での尿検査で糖が出ているのが発見されたり、急にものが見え難くなったりなどの合併症がでて、初めて発見される場合もあります。
糖尿病の診断
糖尿病の特徴は慢性的に血中ブドウ糖濃度が高くなることなので、糖尿病の症状を訴えた患者さんに対して、血中のブドウ糖(血糖)を測定、診断します。
そして何回かの測定で1デシリットル中200ミリグラム超えていれば、糖尿病と診断されます。また朝の空腹時に1デシリットル中140ミリグラム以上の値を示した場合も糖尿病と診断されます。
さらに、75グラムのブドウ糖を飲んで、二時間後の測定で、1デシリットル中200ミリグラム超えていても、同じように糖尿病と診断されます。
糖尿病がもたらす三大合併症の怖さ(中編)では、糖尿病がもたらす合併症についてご説明します。
まとめ
糖尿病がもたらす三大合併症の怖さ(前編)
糖尿病って、どんな病気?
糖尿病の症状
糖尿病の診断