糖尿病がもたらす三大合併症の怖さ(中編)では、三大合併症について説明しました。後編では、さらに詳しく糖尿病性自律神経障害についてご紹介します。 糖尿病 は、 三大合併症 も含み自己管理の必要となる疾患ですので日頃から、食事、運動、ストレスに注意を払い、血糖値に注意しましょう。
糖尿病がもたらす三大合併症の怖さ(後編)
糖尿病の三大合併症
糖尿病性自律神経障害について以下のような症状がみられます。
無自覚性低血糖症
普通、インシュリンや経口血糖降下薬を服用して、血糖をコントロールしている際に、薬剤が効き過ぎた場合、冷や汗、動悸、震えなどの低血糖症状に注意しますが、自律神経障害が進行すると、その感覚が鈍り、このような症状は起こらずに、いきなり低血糖性の昏睡になることがあります。つまり、低血糖に対して自律神経が反応しないことが原因になっています。
起立性低血圧
糖尿病による自律神経障害が進むと、急に立ち上がった際に頭に送られる血流の血圧の調整が出来ずに、立ちくらみを起こすことがあります。ひどくなると意識を失って卒倒することがありますので注意を要します。
胃無力症
ご存知のように胃腸は自律神経の支配を受けています。そのため、糖尿病により自律神経が障害を受けると、食道、胃、腸の動きが鈍くなります。具体的言いますと、胃の中の内容物が、なかなか腸のほうに移動しないのが問題になります。
特に、インシュリン療法をしている人にとっては、腸からの吸収とインシュリンによる血糖コントロールが一致しないことが生じ、注意を要します。
大腸の働き
同じように糖尿病による自律神経障害で大腸の動きが不安定になり、下痢と便秘が起こり勝ちになります。特に、直腸部の感覚麻痺と動きが鈍くなることによる便秘が問題視されています。
膀胱障害
糖尿病による自律神経障害は膀胱にも影響を与えます。どういうことかと言いますと、膀胱の収縮力が低下するために、排尿後も尿が大量に膀胱内に残ってしまうのです。残尿があると、細菌感染が起こりやすく、膀胱炎や腎盂炎などを発症します。
インポテンス
糖尿病性の自律神経障害の男性は勃起不全になりやすく、罹病が長引いた場合は治りにくいという現状があります。まずは血糖コントロールに注力し、食事にも気を付けます。特に、男性側の不妊の原因にもなりかねませんので、夫婦生活上からも十二分に配慮が必要です。
糖尿病性の三大合併症とおさらばするのには、しっかりとした自己管理
いかがでしたか、糖尿病から起こる三大合併症を詳述いたしましたが、これ以外にも、動脈硬化症(脳卒中、心筋梗塞、下肢動脈閉そく)などの合併症もあります。これらは直接生命にかかわるだけでなく、日常生活にも影響を与えますので、糖尿病には真摯に向き合わなければなりません。
60歳以降に糖尿病になった場合、治療を続けることで、非糖尿病者よりも長寿を全うできるデータもあるそうなので、常日頃から、食事、運動、ストレスに注意を払い、血糖値に関心を持ち、しっかりと自己管理をしたいものですね。
それから、健康診断を受ける際には、ぜひ、ヘモグロビンA1cの検査をお勧めいたします。この検査では、検査当日から1~2カ月前の血糖の状況が推定されます。
慢性的に推移する糖尿病、怖い三大合併症がありますが、あなたの心がけひとつで、病気にならないで済みます。
まとめ
糖尿病がもたらす三大合併症の怖さ(後編)
糖尿病の三大合併症
糖尿病性の三大合併症とおさらばするのには、しっかりとした自己管理