糖尿病の治療の基本は血糖を下げることです。しかし、近年、高齢者では血糖値を下げ過ぎることが逆に危険な状態になることがわかっています。血糖値管理のためには、食事療法が大切になります。
今回は、 糖尿病 の食事療法で 食べてはいけないもの についてご説明いたします。
糖尿病の食事療法で食べてはいけないものについて(前編)
高齢者の糖尿病診療ガイドラインについて
糖尿病の3人に2人が高齢者です。高齢者糖尿病は低血糖、認知症、うつ、日常生活活動の低下、転倒・骨折、筋肉量低下による身体能力低下を起こしやすいのです。
高齢者の糖尿病は低血糖から認知症を起こしやすいため、厳格な血糖コントロールよりも安全性を重視した適切な血糖コントロールを行うことが重要になります。
糖尿病のかたはよくご存じかとは思いますが、赤血球中のヘモグロビンのうちどれくらいの割合が糖と結合しているかを示すHbA1cの値が8%未満とすることも許容されています。
糖尿病の食事療法での摂取エネルギーは標準体重1kg当たり25~30kcalを目安とします。通常1日1200~1800kcalですが、高齢者の場合は少なめで計算します。
しかし、身体能力が低下している場合や低栄養の場合には栄養バランスに配慮した比較的多めのエネルギーの摂取が必要です。
栄養素の割合は、50~60%が炭水化物からの摂取、たんぱく質は20%までとして残りを脂質からの摂取としています。脂質の割合が25%を超える場合は、飽和脂肪酸を減らすなどの配慮が必要です。炭水化物の摂取不足や過剰摂取にならないように注意します。
高齢者の糖尿病でも、定期的な身体活動や歩くなどの運動療法は、代謝異常の改善にとても有効です。腹囲を減らしてHbA1cを改善し、筋力を増やし、脂肪を減らすことが重要になります。
薬物療法においては、SU薬やインスリンを使う場合には重症低血糖にならないように注意が必要です。
血糖コントロールよりも緩めのコントロールが大切で、十分なたんぱく質の摂取と運動療法が有用です。簡単なまとめですが、これが高齢者の糖尿病診療ガイドラインです。
糖尿病の食事療法で食べてはいけないもの
糖尿病は血糖値が下がらなくなる病気です。ですから、食事では糖質をなるべく控えた食事に切り替えていく必要があります。糖質は甘いものと考えがちですが、それだけではありません。糖質の多い食べ物をあげてみます。
白米、パン、ラーメン、うどん、パスタ、焼きそば、じゃがいも、コーン、砂糖、はちみつなどなど。炭水化物と呼ばれるものは、ほとんど糖質です。糖質が甘いものだけだと勘違いされていた方は再度確認してみて下さい。
炭水化物を摂りすぎないということは、毎食のごはんの量を減らすだけでも有効です。
日本人はお米が主食だからと、しっかりごはんを食べなければ元気が出ないという高齢者の方をよくお見かけしますが、実は糖尿病の場合は炭水化物をたくさん食べるのは控えた方がよいのです。
アルコールについては、やはり制限するかお酒の種類を選ぶ必要があります。アルコールは血糖値のコントロールを狂わせてしまう作用があるのです。
高カロリーのものは肥満につながり、また肝機能障害を併発しやすくなります。病院での指導は、禁酒ということになる可能性も高くなります。
まとめ
糖尿病の食事療法で食べてはいけないものについて(前編)
高齢者の糖尿病診療ガイドラインについて
糖尿病の食事療法で食べてはいけないもの