糖尿病という言葉はどなたでも一度は耳にしたことがあると思いますが、実際どのような病気なのかは、意外と糖尿病当事者ですら把握していないことがあります。
糖尿病は日本人のほとんどが2型糖尿病といわれており、毎年増加傾向で生活習慣病の1つとされています。
では 糖尿病 とは どのような病気なのか解説していきます。
生活習慣病のひとつである糖尿病とはどのような病気?
糖尿病とは?
人の体は血液中のブドウ糖をエネルギーにして動いています。ブドウ糖は炭水化物や糖分に多く含まれており、このブドウ糖が血液中に溶け込んで全身に運ばれることで活動することができます。この血液中のブドウ糖が血糖と呼ばれており、血糖の値を血糖値と呼びます。
血糖値はさまざまな要因で変化しますが、膵臓のランゲルハンス島と呼ばれるところからインスリンを分泌して血糖値をコントロールします。糖尿病とはこのインスリンの量が少ないか、作用が低下してしまい血液中のブドウ糖を分解しきれなくなる状態のことです。
糖尿病の種類
糖尿病は大きく二つに分類することができます。
1つ目は1型糖尿病です。1型糖尿病は膵臓からインスリンの分泌が、なんらかの原因でできなくなるタイプの糖尿病です。
一般的に知られている糖尿病とは違い、小児や若年者にも発症します。インスリンが分泌されないため、食事の後にインスリン注射によりブドウ糖を分解する必要があります。インスリンの分量を調節しないと、低血糖を起こしてしまう場合もあるので注意が必要です。
2つ目は2型糖尿病です。日本人の糖尿病のほとんどがこの2型糖尿病で、生活習慣病と呼ばれるのもこちらの糖尿病です。
1型糖尿病とは違い、膵臓からインスリンは分泌されていますが、量が足りていないか、インスリンに体が反応しなくなるタイプです。食べ過ぎや運動不足、肥満や喫煙などが関係しています。若年者にも発症しますが、多くは40歳を超えたあたりから急激に増えていきます。
糖尿病による合併症
糖尿病網膜症
血糖値が高い状態が続くと、眼底にさまざまな変化を起こします。初期は点状出血や白斑などですが、進行していくと血液の循環が悪くなり、その結果網膜に本来血管がない場所に血管ができます。
これを新生血管と呼び、通常の血管に比べ非常に弱く出血を起こしやすいです。これが糖尿病による眼底出血です。
さらに進行していくと、網膜剥離、硝子体出血などを起こして失明にいたります。他の合併症に比べ、早期に変化が起こるため眼科で発見される場合も多いです。
糖尿病性腎症
糖尿病による高血糖と高血圧が原因で、血管に障害をきたし、腎臓内の蛋白質に変化を起こします。糖尿病から薬10年くらいで発症する患者が多いと言われています。
初期の段階では自覚症状はなく微量の蛋白尿がでるだけですが、進行していくと腎不全をきたし人工透析が必要になります。人工透析は糖尿病性腎症の患者が40%以上を占めています。
糖尿病性神経障害
糖尿病によって、手や足など体の末端の神経がダメージを受けます。
神経がダメージを受けることで痛みやしびれが起こってきます。神経障害が進むと、感覚が鈍くなるため怪我などに気づきにくくなりその結果、手当てが遅れて潰瘍になってしまったり、大きな傷になってしまうおそれもあります。最終的には痛みという感覚がなくなってしまうこともあります。
糖尿病の治療
糖尿病になってしまったら、必ず放置せず必要な医療機関を定期的に受診する必要があります。糖尿病はしっかり血糖値をコントロールして、ヘモグロビンA1cというを正常値に近い状態を保つ必要があります。
自己判断で治療を中断してしまうと、合併症が知らず知らずのうちに進行して取り返しのつかないことになりかねません。糖尿病専門の内科を中心に必要な他科への受診、食事療法や運動療法を取り入れて糖尿病とうまく付き合っていくことが重要です。
まとめ
生活習慣病のひとつである糖尿病とはどのような病気?
糖尿病とは?
糖尿病の種類
糖尿病による合併症
糖尿病の治療