「あなたは椎間板ヘルニアの手術費用を知っていますか(前編)」では、椎間板ヘルニアでの検査費用や手術費用についてご説明いたしました。後編では、具体的な 椎間板ヘルニア の手術方法と 手術費用 についてご説明いたします。
あなたは椎間板ヘルニアの手術費用を知っていますか(後編)
手術費用としていくらかかるか
具体的な手術費用については次に記載する保険適用の手術と保険適用外の代表的な手術を参考にしてください。入院期間に応じて前述の入院費用がかかります。また、麻酔にかかる費用が別途負担しなければなりません。
保険適用外の手術の場合は医療施設によって自由に金額設定が可能ですので、医療施設ごとの手術費用には幅がでることをあらかじめ理解しておいてください。
A保険適用の手術
ラブ法(LOVE法)
昔から一般的に行われている切開手術です。全身麻酔下にて背中側を5~6cm切開して切り込み部位から神経を圧迫しているヘルニアを肉眼で見て取り除きます。手術時間は30分から1時間ほどですが、入院期間は術後の経過次第によりますが3週間程度必要です。
手術費用は約25万円ですので、自己負担3割の方の場合は約7万5千円の費用負担となります。
内視鏡視下手術:MED法(内視鏡下腰椎椎間板摘出術)
全身麻酔下にて背中側に1.5cmから2.0cmほど切開口をつくり、内視鏡を入れモニターで確認しながらヘルニアを取り除く手術方法です。手術時間は1時間ほどですが、入院期間は1週間で済みます。傷痕が小さく、術後の痛みも少なく日常生活の復帰も早いことがメリットです。
手術費用は約30万円ですので、3割負担の方の場合は約9万円の自己負担となります。
微小内視鏡視下手術:PELD法(経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術)
全身麻酔下にて背中側に7mmほどの切開口をつくり、微小内視鏡を入れてモニターで確認しながらヘルニアを取り除く手術方法です。手術時間は1時間ほどですが、入院期間は2日ほどですのでMED法より身体への負担も少なく、日常生活への復帰を早いことがメリットです。
手術費用は約20万円ですので、自己負担3割の方の場合は約6万円の費用負担となります。
B保険適用外の手術
レーザー治療:PLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)
局所麻酔下にて椎間板の中央の部位に数ミリの針を刺し、ガラス繊維を針孔から挿入してガラス繊維の先端部からレーザー光線を照射します。椎間板の中央の部分をレーザー光線にて焼いて神経を圧迫しているヘルニアの神経への圧迫する力を弱めます。
治療時間は15分から30分ほどで、傷痕も小さく入院の必要もないことがメリットです。
手術費用は全額自己負担の為、約35万から約40万円になります。但し、手術を実施する箇所の数によっても金額は異なりますので、事前に確認する必要があります。
経皮的椎間板粉砕・切除術:enSpire
針孔を使う手術としては最も効果のある手術と言われています。局所麻下にて椎間板に針を刺して針の先端のワイヤーを広げます。この広げたワイヤーを回転させヘルニアを粉砕しながら吸引するという手術方法です。椎間板の内部に空間ができるため、ヘルニアが縮小することになります。
手術時間も30分ほどで、傷痕も小さくヘルニアの再発もなく日帰りも可能です。
手術費用は医療施設によって大きく異なりますが、約45万円から約60万円の負担となります。
前述のように、手術方法によって手術費用は大きく異なり入院・検査の費用を加えると大きな費用となりますので、高額医療費・医療費控除などの費用軽減策を上手に利用してください。
まとめ
あなたは椎間板ヘルニアの手術費用を知っていますか(後編)
手術費用としていくらかかるか