「あなたは痛風の治療に使用される薬を理解していますか(前編)」では、痛風治療においての薬物療法の進め方についてご説明いたしました。後編では、 痛風 の根本的治療となる 薬 についてご説明いたします。痛風では、尿酸値を下げる治療が重要となります。
あなたは痛風の治療に使用される薬を理解していますか(後編)
尿酸値を下げる薬物治療とは
発作の痛みを軽減する治療を終えてから尿酸値を下げる、すなはち、痛風の根本原因である高尿酸血症の治療に尿酸降下薬を使用します。
尿酸降下薬は発作直後に使用すると炎症を悪化させることがわかっていますので、必ず発作の痛みがなくなってから使用します。但し、尿酸値を下げる治療中の服用時に発作が起きた場合は服用を続けます。
尿酸降下薬を使用する目的は発作の再発を予防するために、尿酸値の値を正常範囲まで下げることと、腎臓障害・尿路結石などの合併症を防ぐことです。
尿酸降下薬を投与する尿酸値の指標は7mg/dl以上の場合です。但し、痛風の発作がない高尿酸血症の場合は8mg/dl以上でも治療を開始します。
投与する量は同時に併用される食事療法の効果を見ながら投与量を決めていきますが、一般的には3ケ月から6ケ月をかけて徐々に投与量を増やしていきます。
高尿酸血症の治療には、尿酸値の値によって2つのタイプの尿酸降下薬が使用されています。
一つ目は尿酸が作り出されることを阻害する薬「尿酸産生阻害薬」と二つ目は尿酸の排出を促進する薬「尿酸排出促進薬」です。
尿酸産生阻害薬とは
「尿酸生成抑制薬」という名称でも使用されていますが、現在、4種類の薬が使用されています。尿酸産生阻害薬はプリン体が分解されて尿酸になる際に関与する酵素の働きを抑えて血中・尿中の尿酸値を減少させます。
しかし、腎臓障害を持っている方は副作用として中毒症状を発症する場合がありますので、薬の投与量については医師の指示に従ってください。
尿酸排出促進薬とは
尿酸という物質は腎臓にある糸球体の毛細血管の壁からろ過されますが、その後、再び再吸収されて約10%が尿とともに排出されます。
尿酸排出促進薬の作用は、再吸収を抑制して尿酸の排出を促進する働きがあります。但し、薬の服用によって尿中の尿酸値が増加し、尿が酸性化して尿路結石・腎臓障害を発症しやすいため水分を充分に摂取し、「尿アルカリ化薬」を同時に服用する場合もあります。
尿酸排出促進薬は、現在、日本では5種類の薬剤が使用されています。
尿酸降下薬を服用する時の注意点とは
尿酸降下薬を服用後、尿酸値が目標の数値を下回っても自分の判断で服用する量を減らす、又は、服用を中止するということは避けてください。
誤った服用方法によって尿酸値が安定せずに発作の再発、腎臓の機能障害を起こす危険性があります。
まとめ
あなたは痛風の治療に使用される薬を理解していますか(後編)
尿酸値を下げる薬物治療とは
尿酸産生阻害薬とは
尿酸排出促進薬とは
尿酸降下薬を服用する時の注意点とは