「最近急増しているうつ病の実態と正しい病院の選び方(前編)」では、老人性うつ病についてお伝えいたしました。後編では、老人性 うつ病 にはどのような症状があり、 病院 では何かを受診すべきなのかお伝えいたします。
最近急増しているうつ病の実態と正しい病院の選び方(後編)
老人性うつ病と考えられる症状はこのようなものがあります
老人性うつ病を見極める症状はいくつかあります。
食欲がなくなった、好きなテレビを見なくなる、お出かけが少なくなる、笑わなくなる、落ち着きがなくなった、便秘がちになるなどがあげられます。それまで元気だったのに急にやる気が出なくなる、興味があったことに関心を示さない、注意力が散漫になるのです。
また、不眠を訴えたり、不安感ややるせない気持ち、とにかく寂しいなどと言うようになった場合は早めに病院を受診したほうがいいでしょう。
症状が当てはまる場合、何科を受診すればよいのか
気分が沈んで何も手につかない、涙がなぜか出てきて止まらないなど精神的に辛い症状があればだれでも心療内科や精神科を受診するはずです。最近はうつ病やストレスに関する病気に対して広く知られてきているので、若い世代においては比較的受診されやすくなりました。
しかし、老人性うつ病の場合、耳鳴りやめまい、頭痛や腰痛、原因ははっきりしないが身体の調子が悪いといった身体的な訴えが多いため、すぐに心療内科や精神科に受診するというわけにはいかない場合が多くあります。
身体の不調を訴えて耳鼻科や整形外科、歯科などを受診しますが一向に気分が良くならなかったり、ますます引きこもってしまうような場合には是非、心療内科や精神科を受診することをお勧めします。
他にもメンタルクリニックや総合病院のなかにある精神科や神経内科などがあります。年齢的に個人病院の精神科などの受診を拒まれる方もおられるので、ご本人も家族も納得できる病院での受診が一番良いと考えます。
認知症と老人性うつ病は違います
年齢のこともあり、まわりからみると認知症なのではないかと心配になるケースもみられます。ただ、認知症と老人性うつ病は全く別の病気です。
特徴を比較してみると、認知症には記憶障害が多く見られますが、老人性うつ病では起こりません。ただ、質問に対して深く考えずに「よくわからない」と答える場合が多く判断は難しくなります。
老人性うつ病は物忘れに気付くことで不安になり、落ち込むことが多くあります。家をうろうろ歩く場合も、認知症の場合は気づかないうちに歩いているのに対し、うつ病の場合は不安な気持ちを抑えきれずに歩いています。
また、認知症は徐々に症状が進行しますが、老人性うつ病は時間帯により症状が強かったり落ち着いたりします。
もしうつ病かな?と思った時の正しい病院の選び方
うつ病は10年前よりもずいぶん増加しています。うつ病にも働き盛りであったり、育児中に発症してしまううつ病があったり、更年期うつや老人性うつ病というように、それぞれの年代により診断名がつく時代になったのはとても驚きです。それほどうつ病という病気が多くなってしまっていることがわかります。
ご自身で自覚症状があり辛い場合は我慢せず気持ちの持ちようだなどとは考えず、できるだけ早く受診することが大切です。
老人性うつ病のように、身体症状を訴えているだけではなく、まわりの家族が何か様子がおかしいなと感じるような場合にも早めの受診が大切です。重症化するのを防ぐだけではなく、自殺など最悪の事態を防ぐことにもつながるからです。
メンタルクリニックや心療内科、精神科、神経内科など受診できる病院が増えています。自分の気持ちを正直に先生に伝えることができ、先生がしっかりと耳を傾けてくれるそんな病院を選ぶことも病気を克服するためには大切なことです。病院は自分で選べるのです。
まとめ
最近急増しているうつ病の実態と正しい病院の選び方(後編)
老人性うつ病と考えられる症状はこのようなものがあります
症状が当てはまる場合、何科を受診すればよいのか
認知症と老人性うつ病は違います
もしうつ病かな?と思った時の正しい病院の選び方