余命宣告を受ける機会があるとすると、どういうときでしょうか。突然がんの末期症状だと告知された場合など特に動揺して、余命宣告=寿命があとどのくらいかの宣告と勘違いしてしまう方もいらっしゃることでしょう。
今回は 余命宣告 の正しい意味と、余命宣告を受けたらするべきことについて詳しくご説明します。
余命宣告とは?余命宣告を受けたらするべきこと
余命とは
余命とはその病気の生存期間中央値つまり、その人が残りどれだけ生きられるのかということを意味します。ちなみに生存期間中央値とは、その集団において50%の人が亡くなるまでの期間のことです。
つまり100人を対象にした場合、50人目が亡くなった時点が生存期間中央値となり、余命1年ならば1年後に100人のうち50人が亡くなっている時点ということなのです。
ですから余命1年=あと1年しか生きられないという意味ではありません。もちろん1年の余命宣告でも1ヶ月も経たずに亡くなる場合もあります。しかし5年どころかそれ以上の年数生存している方も大勢いらっしゃるのです。
余命宣告の正しい意味
繰り返すようですが余命と寿命とは違います。1年の余命宣告ならば「1年後、同じ病気で同じ状況の100人のうち半分の50人が亡くなっているデータがある」ということを宣告されたわけです。決してこの状況になったら大半の人が1年で亡くなるという宣告ではありません。
もちろん医学は日々進歩しているので、新薬が開発されて大きな効果が実証できると、余命はどんどん変わっていく可能性もあります。
余命とはデータに基づくものではあるのですが、患者の病状はひとくくりにできるものではなく、あくまで推測にすぎないというデータもあります。
一昔前は、多くの医師ががんの告知や余命を宣告する際には家族にのみ伝えて患者本人には必ずしも本当のことは言わず、良くなっていると嘘を言って励まし続けたと聞きますが、現在ではどうなのでしょうか?
がん告知を患者本人にするのが当たり前になって20年になる現在です。納得のいくまでいろいろな方の話を聞いてみましょう。
余命宣告を受けたらするべきこと
余命宣告は例えばがんの場合、これ以上医学的な治療は望めないと医師が判断したときになされます。手術を何度もしたり抗がん剤や放射線の治療を繰り返したりしても大きな効果がみられない場合で、これ以上体に負担の大きい治療をするべきではないと判断されたときです。
大切なのは患者のQOL(クオリティー オブ ライフ)をできるだけ高く長く保つことです。寝たきりではない、できる限り元気な状態で過ごすことともいえるでしょう。
今や抗がん剤の研究は日々進化しており、初期のがんでは5年経っても再発しない完治できるまでになった種類のものもあります。しかしどんな治療も万能ではありません。がんを攻撃してくれる代わりにさまざまな副作用が身体にダメージを与えることも事実です。
ですから医師に余命宣告をされたときには治療を続けるメリットと身体へのダメージのデメリット、そしてQOLを維持・向上させるためにどうするべきかを患者本人、家族、医師とよく相談をして、今後の過ごし方を考えることが大切です。
同じ病気で同じステージの末期がん患者であっても、年齢や体力、また人それぞれの価値観によって過ごし方は違ってくることでしょう。
例にあげたがん以外にも、原因不明・治療法不明の難病で余命宣告をされることがあります。QOLの維持のため、辛い症状はできるだけ緩和できるよう患者本人と、家族、医師たちとよく話し合いをしながら、ひとつひとつ対処していくことが大切なのではないでしょうか。
まとめ
余命宣告とは?余命宣告を受けたらするべきこと
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余命宣告の正しい意味
余命宣告を受けたらするべきこと