国民病とも言われ、悩んでいる人も多い腰痛ですが、整形外科の通院や安静で治る 腰痛 ばかりではありません。腰と内臓は関連性が高く、内臓疾患が影響していることがあります。
さらに 便秘 や下痢など便の異常が伴う場合には、恐ろしい大腸の病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。
腰痛と内臓疾患の関連性と、便秘が伴う場合の重篤な病の可能性。
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多くの日本人が悩む腰痛は国民病とも言われている。
腰痛は現代の国民病と言われているのはご存知でしょうか。日本人で腰痛を持つ人の数は2,770万人(男性1,210万人、女性1,560万人)いると言われています。
その数字から見ると、人口のおよそ4分の1は腰痛の悩みを持っているというのだから、国民病と言われるのも納得です。
年齢別に見ると腰痛が初めて起きた年齢は、20代から30代。老化現象と思われがちな腰痛ですが40代から60代がピークで、その年代では40パーセントの人が腰痛の悩みを抱えているとされています。
それ以降の年齢になると徐々に下がっていき、男性4割、女性6割で女性の方が多いという結果です。
腰痛があらわれることもある疾患とは
多くの人が悩んでいる腰痛ですが、原因はいろいろ考えられます。まず、腰が痛くなる疾患で思い浮かぶのが、ぎっくり腰や椎間板ヘルニアなどがあげられます。これは、腰部の筋肉だったり骨が損傷した場合に起こるものや、腰部脊柱管狭窄症など神経の障害によるものです。
これらの腰痛の場合には整形外科を受診したり、安静にすることで症状が良くなる傾向にあります。
しかし腰痛がいつまでも続き、症状が一向に良くならない場合には、他の病気が原因になっている場合もあるのです。
実は内臓の疾患により腰痛を引き起こすがあります。具体的に挙げると、肝炎、膵炎、膵臓がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆嚢炎、胆石症、胆道結石、腎盂腎炎、尿路結石などです。
内臓疾患からくる腰痛の場合には、吐き気や胃痛などの症状が伴うことが多いようです。
他に、女性に見られるのが生理時には腰が痛くなるといった場合や、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮がんといった婦人科系の疾患によるものです。下腹部痛や不正出血が見られることがあります。
便秘により腰痛が起こる理由と便秘が進行したケース
その他に便秘でも腰痛が起こることがあります。2015年の時点で、およそ470万人が便秘との自覚があると発表されており、便秘で悩んでいる人はとても多くいます。
ともに国民病と言われる腰痛との関連性は一見なさそうに思えますが、実は腸と腰というのは近い場所にあるため、腸の不調が腰の症状として現れることは珍しくないのです。
なぜ腰痛と関連があるかと言うと、まず便が出ずに3日も経過すると腸内に滞った便が腐敗しガスが発生してしまいます。すると、そのガスや便が背骨や腰を圧迫してしまうことで腰痛が出てしまいます。
また、腐敗した便が排出した毒素により血行が悪くなることで、腰痛を引き起こしてしまうのです。
便秘が重度になるとさらに恐ろしい病気を引き起こしてしまうことがあります。腸閉塞という病気は、腸に長く留まってコロコロと硬くなった便が沢山溜まり、腸管をふさいでしまうことで起こります。最悪の場合、死に至ることもあるのです。
日本人の死因として多い大腸がんでも腰痛があらわれることも
そして大腸に悪性腫瘍が発生した場合に起こる大腸がんでも腰の痛みを感じることがあります。
日本人の死因で最も多い「がん」の中でも、大腸がん患者であった割合は、男性では3番目、女性では1番目多いとの情報がありました。
近年では食生活の欧米化に伴い、さらに急速に大腸がんの患者が増えています。
進行することで脂肪率が高くなる大腸がんですが、早期発見により5年生存率は80%以上とも言われています。
ただし自覚症状が少ないためなかなか気づきにくく、逆に自覚症状が出た段階では、がんが進行していると言えます。
腰痛がなかなか改善しない場合には専門機関の受診を
腰の筋肉や神経を痛めた場合の腰痛であれば、安静にすることで快方に向かうこともあります。しかし、腰痛には内臓の疾患であったり、早期発見が必要となる深刻な病気が隠れている場合があります。
ただの腰痛だと放置するのではなく、気になる症状が見られたら、専門機関に受診することも大切です。
まとめ
多くの日本人が悩む腰痛は国民病とも言われている
腰痛が現れることもある疾患とは
便秘により腰痛が起こる理由と便秘が進行したケース
日本人の死因として多い大腸がんでも腰痛が現れることも
腰痛がなかなか改善しない場合には専門機関の受診を