坐骨神経痛は神経痛の一種です。発症すると痛みや腫れ、そして痺れを起こし末は歩行困難になる可能性を秘めています。その初期の痛みはバイタルサインとして理解されています。
まず、単なる腰痛なのか坐骨神経痛なのかの見極めも大事です。 坐骨神経痛とは を解説します。
坐骨神経痛とはおしりから下肢への放散痛がでる症状
神経痛と痛みの総論
坐骨神経痛について解説します。
坐骨神経痛を知る前に、大前提で「神経痛」と「痛み」の概要にふれる必要があります。
もし人間が痛みを感じないとしたらどういうことになるのでしょうか。いうまでもなく生命そのものがピンチに陥るでしょう。「痛み」は逆説的な表現ですが、人間の健康の根源的なもの、生命維持には絶対欠かせないアラーム、つまり警告なのです。
この警告は最近「バイタルサイン」などと表現されています。このバイタルサイン、ほかには体温、呼吸、脈拍や血圧などと同じように並べることはできます。
一方、神経とは人体の中で大切な役割をになっています。体内の重要な情報を伝達する組織で、大きく分けると中枢神経と末梢神経にわかれます。
神経は単体での存在は少なく、多くの場合集団的な組織となっています。神経は人間の痛みや痺れなどの情報を伝える大切な役割を持っています。
一般的な神経痛は、一種の発作のような症状が繰り返されることが多いのも特徴です。そして往々にして不規則であり持続時間が短いということもあります。神経痛は特定の末梢神経に起こる痛みの総称ともいえます。
単なる腰痛と坐骨神経痛の違い
坐骨神経痛とは坐骨神経とその領域に痛みや痺れ、場合によると腫れたり浮腫んだりする症状があらわれ、体が疼痛症状を訴える病気です。
「坐骨神経痛」という呼称は、例外を除いて病名とは関係なく、病気の症状を指します。
一般的に呼称されている腰痛と坐骨神経痛は、若干曖昧な部分もありますが病気のジャンル的には違うものと位置づけられています。
どの部分が異なっているのかというと、腰痛は腰とおしりの部分にのみ痛みが出ると特定されますが、坐骨神経痛はもっと広い範囲に広がります。一般に坐骨神経痛は腰痛を伴う例が通常です。
腰部脊柱管狭窄と老化の関わり
坐骨神経とは、腰椎の4番目と5番目の神経と仙骨の前から出て太ももの裏側から膝の裏面で神経分岐し、そのまま下がって下肢から足裏に至る神経をいいます。この神経は人間の体の中で最も大きな神経です。
坐骨神経痛は中年層から高年齢の方に多くみられるという特徴があります。年齢的に若いときは椎間板ヘルニアなどがもとで坐骨神経痛を誘発する例が多いのですが、年齢を重ねるとほとんどが腰部脊柱管狭窄(ようぶ せきちゅうかん きょうさく)を原因としてその症状があらわれます。
このように坐骨神経痛に大きな関わりを持っているのが腰部脊柱管狭窄です。腰部脊柱管狭窄とは読んで字のごとく、高齢化で使用頻度の高かった腰やその周辺にある脊柱管がいわゆる老化現象で狭くなっていき、そこを通っている神経が圧迫されます。
そのために神経が痛みを発信するわけです。
坐骨神経痛で痛みを発信する「型」もさまざま
坐骨神経痛は、おしりだけではなく下肢から足の指先まで痛みや痺れ、時には腫れなどを発症します。
腰椎と腰椎の隙間が狭くなると、椎間板そもそもの機能であるクッション的役割は果たせなくなります。そしてさらに症状が進むと椎間板そのものが骨の圧迫で押し出される格好になります。
これがおしりから足の先に至る痛みを発症する原因で坐骨神経痛と総称しています。これは特に年齢だけの関わりではありませんが、高齢化すると発症率はぐっと上がります。
坐骨神経痛はコリによって発症するケースもあります。座ったままとかジッと姿勢を変えないで座っているときは仙骨や坐骨まわりが凝ってきます。この状態が続くと腰から足にかけて一本の筋(ライン)ができあがっていき、コリから痛みや痺れをおこすという流れです。
こういった例というか痛みの「型」では、座っていると痛みが出るのに対し、歩くときや立ったりしているときに強い痛みや痺れなど感じないという特徴があります。
まとめ
坐骨神経痛とはおしりから下肢への放散痛がでる症状
神経痛と痛みの総論
単なる腰痛と坐骨神経痛の違い
腰部脊柱管狭窄と老化の関わり
坐骨神経痛で痛みを発信する「型」もさまざま