背中や腰が激しく痛む尿管結石はよく聞きますが、腎結石というのは耳慣れない病名かもしれません。時に、耐え切れないほどの激痛を引きおこす結石ですが、 腎結石 と尿路結石の関係や、結石はなぜできるのか、そしてその治療法などを詳しくご紹介します。
腎結石とは?なぜ石ができる?
腎結石と尿路結石との関係
腎結石は腎臓結石とも呼ばれますが、その名のとおり腎臓に結石ができる病気です。
尿路結石という病気も結石によって強い痛みをおこす病気ですが、この結石もほとんどが腎臓でできたものであり、腎臓から流れ出て排出されるまでに尿路の途中で詰まったりすることによって、その部分が激しく痛みます。
尿路結石の症状には、わき腹や背中、腰の辺りに生じる疝痛と呼ばれる激しい痛みの他、血尿や嘔吐などを伴うこともあります。
尿路結石は、尿路を通って流れる程度の大きさの結石が、引っかかりながら少しずつ降りてきて、最終的には尿と一緒に排出されます。結石が降りてくるのに伴って、痛みも下に降りてきますが、このような生じる痛みに対しては、必要に応じて消炎鎮痛剤を投与します。
腎結石ができるのはなぜ?
腎結石は主に、腎杯の尿が染み出してくる部分にできますが、結石の主な成分はカルシウムであり、尿中のカルシウム濃度が高すぎることによって結晶化し、大きくなると考えられています。
腎臓に結石ができる理由としては、原因となる病気がわかる場合もありますが、全体の6割ほどは原因不明であり、それを特発性結石症と呼びます。原因がはっきりしているものには、血中のカルシウム濃度にかかわるホルモンを分泌する副甲状腺の腫瘍によっておこるものなどがあります。
結石が排出されないと
尿路結石は結石が排出された場合でしたが、排出されずに結石がそのまま腎臓の腎盂や腎杯で成長する場合もあります。これを腎結石と呼びますが、痛みなどの症状はあらわれないことが多いため、結石がかなり大きくなるまで気づかないこともあります。
結石がとどまりやすい場所としては、腎杯頚部のやや狭くなっている部分や、腎盂から尿路に移行して徐々にせまくなっている部分などがあります。このような場所で結石が時間をかけて成長し、最終的には腎盂内を埋め尽くすようなサンゴ状結石になることもあります。
衝撃波で石を砕く?
腎結石や尿路結石が排出されない大きさである場合には、衝撃波を使って結石を破砕する手術が行われています。
結石が腎盂に近い場所であれば、体外衝撃波砕石術(ESWL)が選択されますが、これは超音波かX線を使用して照準を合わせ、体の外から結石を狙って衝撃波を送り、結石を破砕します。
腎盂よりも下の方に結石がある場合には、尿道から内視鏡を挿入して結石を破砕する方法が主に行われます。また、腎婁を造設してから内視鏡を使って結石を破砕する方法などもあります。
いずれの方法も、手術時には硬膜外麻酔をかけて行います。近年は体外衝撃波砕石術が主流ですが、結石が大きい場合には困難な場合もあり、症例に応じて他の方法も選択されます。
水腎症を伴う場合
腎結石は無症状でおとなしくしていることばかりではなく、腎盂尿路移行部などの狭窄している部分にはまってしまう嵌頓(かんとん)という状態になることがあります。
このような場合には、結石が尿の出口をふさいで溜まってしまい、腎盂と腎杯が拡張する水腎症になります。この状態が長く続くと腎実質への悪影響があり、腎機能低下につながりますので、できるだけ早い対応が必要です。
腎結石の破砕や尿管ステントなどの他、緊急の対応としては腎婁という腹部から腎臓に管を通して、直接尿を排泄する方法もあります。腎臓は機能を失うと再生させることができませんので、一刻も早く対処することが大切です。
また、尿路感染や炎症を伴う場合には、抗生剤を投与して治療を行います。
まとめ
腎結石とは?なぜ石ができる?
腎結石と尿路結石との関係は?
腎結石ができるのはなぜ?
結石が排出されないと
衝撃波で石を砕く?
水腎症を伴う場合