蕁麻疹は急性と慢性があり、急性蕁麻疹の場合は抗原が体外に排出されるまで蕁麻疹が出現します。一方、慢性蕁麻疹は陰に慢性疾患が潜んでいる可能性があるため蕁麻疹の原因究明が必要になります。
今回は、よくある 蕁麻疹 の 原因 をあげて解説します。
蕁麻疹の原因として考えられる5つの抗原
食品摂取によるアレルギー反応で起きる蕁麻疹
急性蕁麻疹で一番考えられる原因は食品摂取によるアレルギー反応です。いわゆる食物アレルギーによる蕁麻疹のため原因食品を特定する必要があります。
大人の蕁麻疹の原因になりやすい食品の代表例は、ナッツ、甲殻類、青魚、果物などです。幼児の蕁麻疹の原因食品は卵、小麦、牛乳が多いですが大人の蕁麻疹の原因にはなりにくい食品です。
原因食品を特定する方法は血液検査が主流ですが、血液検査だけでは正確な原因食品の特定は難しいため、実際に食べた食品を書き留めて蕁麻疹との関連を意識して生活することが大切です。
なかには毎日口にしている食品が原因であることもあり、知らず知らずのうちに急性蕁麻疹を繰り返して慢性蕁麻疹と誤解している人もいます。
物理的な刺激が原因で起きる蕁麻疹
全身に出現する蕁麻疹ではなく、部分的に蕁麻疹が出ている場合は物理的な刺激による蕁麻疹を疑います。接触蕁麻疹や日光蕁麻疹、温熱蕁麻疹が物理的な刺激による蕁麻疹にあたります。
とくにウエストまわりに蕁麻疹がみられる場合は、下着のゴムによる圧迫刺激が原因であることが多いのです。
温熱蕁麻疹は、運動した後や入浴後の体が温まった状態の時にあらわれる蕁麻疹です。発汗とストレスも影響していると考えられ、コリン性蕁麻疹とよばれています。
コリン性蕁麻疹の原因は、精神的なストレスや発汗と日常生活と切っても切れないことが原因にあるため常に蕁麻疹がでている慢性蕁麻疹であることがほとんどです。発汗や運動が原因のコリン性蕁麻疹の場合は、運動の制限がかかることもあります。
原因物質を吸入することで起きる蕁麻疹
抗原を吸い込むことを原因として発症する蕁麻疹です。吸入抗原として考えられるものは、花粉や動物の毛、ハウスダストやカビです。最近増加している蕁麻疹の原因が花粉症です。
花粉症は鼻水や目のかゆみが代表的な症状ですが、皮膚症状として蕁麻疹がでることもあります。室内で動物を飼っている環境で蕁麻疹が発症したときは、動物の毛に対するアレルギー反応も疑います。
室内をできるだけ清潔に保ち、ハウスダストや動物の毛を吸い込まないようにする心がけが必要です。
感染症が原因で起こる蕁麻疹
1か月以上毎日続く蕁麻疹に悩まされている場合は、医療機関を受診して蕁麻疹の原因を特定するべきです。なぜならば蕁麻疹が慢性疾患の症状の一つであることもあるからです。
蕁麻疹が症状としてあらわれる全身疾患はさまざまありますが、悪性リンパ腫、悪性腫瘍、肝炎など重大な疾患がひそんでいることもあります。肝臓が原因の蕁麻疹はよくあることで、お酒を飲み過ぎた日は蕁麻疹がでる人は、一度肝機能の検査を受けてみてもいいのではないでしょうか。
蕁麻疹は数時間で消えることが多いため、あまり深刻にとらえられにくいですが実は重大な病気のサインであることもあるのです。原因として思い当たる食品やアレルゲンが思い当たらないにも関わらず、1か月程度蕁麻疹がでている場合は医療機関の受診をおすすめします。
薬剤が原因で起こる蕁麻疹
薬剤の副作用としてあらわれる蕁麻疹もあります。体質によってペニシリンやアスピリンが合わずに蕁麻疹がでる人もいます。薬剤が原因の蕁麻疹か判断する方法は、体の左右対称に蕁麻疹がでているか確かめるといいでしょう。
薬剤を服用したことによる蕁麻疹は全身に出てきますが、左右対称に出ることが特徴です。新築の家で暮らし始めた直後から蕁麻疹が現れた場合は、シックハウス症候群も考えられます。シックハウス症候群は、家を建てるときに使った薬剤(ホルムアルデヒド)が原因で起こります。
ホルムアルデヒド以外にもシロアリ駆除剤や防かび剤が原因薬剤になることもあるため、アレルギー体質の人はとくに注意が必要です。
まとめ
蕁麻疹の原因として考えられる5つの抗原
食品摂取によるアレルギー反応で起きる蕁麻疹
物理的な刺激が原因で起きる蕁麻疹
原因物質を吸入することで起きる蕁麻疹
感染症が原因で起こる蕁麻疹
薬剤が原因で起こる蕁麻疹