蕁麻疹には急性と慢性があります。蕁麻疹の治し方は、原因物質の特定がすべてといっても過言ではありません。しかし慢性蕁麻疹はとくに原因の特定が難しいのが現状です。
今回は、 蕁麻疹 の 治し方 について段階的にお話しします。
段階的にみる蕁麻疹の治し方
蕁麻疹の出現するタイミングを記録する
急性の蕁麻疹の場合、アレルギー性と非アレルギー性の2種類があります。
アレルギー性の蕁麻疹は薬や食品が体内に入ることによって蕁麻疹がでてきます。蕁麻疹は時間とともに蕁麻疹の原因である抗原が体外に排出されると治まります。
薬や食品など飲み込むものが原因である場合は、全身に異常がみられることが特徴です。全身症状としては、蕁麻疹の他に嘔吐や下痢をともなうこともあります。
重症の蕁麻疹の場合は皮膚だけでなく気管粘膜や腸粘膜にも蕁麻疹がでます。その場合は、緊急で病院へ行く必要があるため、場合によっては救急車を要請してください。
蕁麻疹がでているときは冷やしてかゆみを抑えることが大切です。かいてしまうとその刺激によって、さらに新しい蕁麻疹がでてきます。
抗原になっているものがわかったら、何を食べた時に何時間後から蕁麻疹がでてきたのかを記録することが大切です。抗原がわからず繰り返し毎日のように食べている食品や食品添加物が急性蕁麻疹を引き起こしていることもあります。
食品以外にも、添加物や薬剤、動物との接触が原因になっていることもあります。考えられる抗原のすべてをかき出しておくことが、原因物質特定につながります。
原因物質・食品の検査をする
いくつか抗原の可能性がある食品や抗原が特定できたら、検査を行います。蕁麻疹の原因は抗原が引き起こしていることがほとんどですが、一部内臓の病気によって蕁麻疹がでることもあります。
内臓の病気については血液や尿の検査、腹部のレントゲン検査などが行われます。さらにアレルギー検査として食品の摂取と除去、薬剤の内服テストを医療機関で行います。
必要に応じて、寒冷試験や水浸漬試験、光線試験(太陽光が原因の蕁麻疹もあるため)も行うことがあります。薬剤が原因物質であるときは、内服によってショック状態を引き起こす可能性があるため、自己判断で勝手にやってはいけません。
原因物質の除去
原因物質がみつかったら除去または制限をします。食品が原因の場合、血液検査でアレルギー検査をしますが陽性結果だけから食事制限する必要はありません。血液検査と食品摂取試験および除去試験を行い確定したら制限をします。
原因が確定した場合は、抗原を少しずつ摂取したり注射したりして体内にとりこみ、反応に対して体を慣れさせていく特異的減感作療法を行うこともあります。
治療
抗原がみつからなかった場合は、原因がみつかるまで薬物療法を行います。一般的に使われる薬剤は抗ヒスタミン薬の内服です。抗アレルギー薬を使う医療機関も増えてきました。アレルギー症状が強い場合は、副腎皮質ホルモン薬を使うこともあります。
薬剤以外にも日常生活で気をつけることで症状を緩和させることができます。食事はヒスタミンやコリンを多く含まないものを食べるようにしましょう。ヒスタミンやコリンを多く含む食品は、サバ、カニ、そば卵白など特定アレルギー20品目に分類されているが多いです。
また消化器官と蕁麻疹は関連していることから暴飲暴食や偏食は避けるようにします。入浴は問題ありませんが、熱すぎるお湯は血管を拡張させ蕁麻疹を出やすくさせます。蕁麻疹がでているときには、シャワー程度がいいでしょう。
衣服は圧迫や皮膚の刺激が蕁麻疹を誘発するため綿素材で圧迫感のない服や下着を選びます。蕁麻疹は睡眠不足や疲労がたまるとひどくなります。十分な睡眠と規則正しい生活を守りかゆみをまねくような環境をつくらないことが一番大切です。
まとめ
段階的にみる蕁麻疹の治し方
蕁麻疹の出現するタイミングを記録する
原因物質・食品の検査をする
原因物質の除去
治療