蕁麻疹は皮膚が急にかゆくなり、盛り上がった膨疹がいくつもでてきます。 蕁麻疹 は原因物質に反応して起きるもので、人に うつる ことはありません。蕁麻疹と似た症状で「蕁麻疹がうつった」と誤解される発疹についてわかりやすく解説します。
「蕁麻疹がうつる」と誤解されやすい4つの発疹
水ぼうそう
水ぼうそうは、冬から春に多くみられる病気です。水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することによって全身に水疱があらわれます。ほとんどの人は9歳までに感染しますが、患者のせきやくしゃみなどの飛沫によってうつるため、かかっていない家族は90%以上感染します。
水ぼうそうに一度感染すれば終生免疫が得られますが、ウイルスは完全に消えたわけではありません。大人になってからも免疫が落ちた時に帯状疱疹となって再び活動を開始します。帯状疱疹も水ぼうそうと同じように水疱があらわれます。
蕁麻疹と帯状疱疹と水ぼうそうは発疹に違いがあるため、見分けることができます。蕁麻疹は台形状に盛り上がる膨疹ですが、水ぼうそうと帯状疱疹は水のように見える水ぶくれが広がります。
ダニやノミによる虫刺され
皮膚の一部が赤くなってかゆい時は虫刺されが原因であることが多いです。わきの下や股などの皮膚がやわらかいところに1センチ程度の紅斑がたくさんできたときはダニである可能性が高くなります。
家族全員に症状があらわれることが多いため、蕁麻疹がうつったと誤解されるときがあります。ダニが疑われたら、部屋全体でダニ退治をしなければなりません。蕁麻疹とダニの見分け方は、皮膚に盛り上がりがあるかどうかで見分けることができます。
ダニは赤くなりますが、皮膚が盛り上がらず扁平です。猫を飼っている家庭で家族全員に発疹がでている場合はノミを疑います。虫刺されの場合は、二次感染を起こさないことが大切です。ノミの駆除を行い、かゆみの症状が強かったり傷口がジクジクしたりしてきたら皮膚科を受診しましょう。
アレルギー様食中毒
鮮度が落ちた青魚にはヒスタミンが多く含まれています。いつもならばさばを食べても蕁麻疹がでない人でも、体力や抵抗力が落ちている場合は蕁麻疹がでるときがあります。サバはアレルギーの人も多いため、アレルギーによる蕁麻疹も考えられます。
しかし、いつもサバを食べても蕁麻疹がでない人に蕁麻疹がでた場合は、サバに蓄積されたヒスタミンが原因で蕁麻疹がでたと考えられます。ヒスタミンが引き起こす蕁麻疹はアレルギーではないため誰にでも起きる可能性があり「アレルギー様食中毒」といいます。
食事は家族全員が同じものを食べることが多く、最初に蕁麻疹がでた人からうつったと誤解されます。食べ物による蕁麻疹は原因物質が体内から消えたら蕁麻疹も消えます。家族全員に蕁麻疹の症状がある場合は、サバやブリなどの回遊魚や赤身の魚を食べていないか考えてみましょう。
とびひ
蕁麻疹がうつると誤解される一番大きな病気がとびひです。とびひは夏に子どもに多く見られますが、大人や高齢者もとびひに感染します。とびひは、皮膚の浅い部分に化膿菌がつき、赤くただれ始めます。
患部に触れば、自分自身であちこちに菌をばらまくだけでなく、家族や他の人にもうつします。とびひは、蕁麻疹とは見た目に大きな違いがあります。とびひには数種類あり、膿をもって大きな水ぶくれを作る場合と小さな水ぶくれがたくさんできる場合があります。
小さな水ぶくれはかゆみが強いため蕁麻疹と誤解されやすいです。蕁麻疹ととびひはかゆい症状は似ていますが、かゆさを引き起こす原因は全く違います。
蕁麻疹は個々の体内にかゆみの原因がありますが、とびひは体の表面にかゆみの原因があり感染しやすい病気です。とびひになったら、患部をガーゼで覆い感染を防ぐようにしなければなりません。
まとめ
「蕁麻疹がうつる」と誤解されやすい4つの発疹
水ぼうそう
ダニやノミによる虫刺され
アレルギー様食中毒
とびひ