「高齢者に多い腸閉塞と便秘の危険性について(前編)」では、高齢者の便秘の危険性について、また腸閉塞の初期症状についてお伝えいたしました。後編では、高齢者の腸閉塞の予防方法や 腸閉塞 と 便秘 の違いについてお伝えいたします。
高齢者に多い腸閉塞と便秘の危険性について(後編)
腸閉塞の予防方法について
腸閉塞を完全に防げるという予防法はないのですが、できる可能性があるものをためしてみてはいかがでしょうか。腸閉塞は誰でもなる病気ではなく、体質的になりやすい方が何度も再発するものです。
原因として便秘が考えられるので、腸がつまらないような方法をやってみることは大切です。腸壁の癒着や腸のねじれは予防することは難しいのですが、腸の中のものが流れやすい状態にすることは可能です。
便秘にならないように注意するということから、食物繊維の多い食品を多く摂るようにしましょう。排便をうながすには水分がとても大切ですから、便秘にならないように喉が乾いていない状況でも、1日に多めの水分補給をすることは重要です。
消化の悪いものはなるべく控える方がよいでしょう。筋力が衰えるとさまざまな影響がありますので、少しの時間でもよいので運動をするように心がけてみてはいかがでしょうか。ラジオ体操などは手軽にできる運動かもしれません。
また、日常的に便秘の方は、便秘薬を服用することも考えてみられてもよいと思います。市販薬の中でも漢方などもあるので便秘が続くようであれば試してみてるのもよいでしょう。
腸閉塞と便秘のちがいについて
腸閉塞と便秘はちがいます。便秘は腸の働きが弱ってしまうということであったり、腸内細菌のバランスが崩れたりすることにより、便が硬くなって排泄できない状態が続くことです。
しかし、腸そのものには問題がないので食生活や生活環境を見直すことで解消できることがほとんどです。3~4日も便が出ない場合は苦しいので何らかの対処が必要ではあります。
また、便秘であれば腹痛もありますが、日常生活に支障がでるほどの痛みではありません。腸閉塞になると、ひどい吐き気や嘔吐を伴います。
初めは胃液などを吐きますが、徐々に腸から逆流してきた腸の内容物を吐くようになり、便のような色であったりにおいがあります。この状態にまでなると便秘でははく完全に腸閉塞であると判断できます。
腸閉塞の場合は放置したまま治るということはありませんので、早急に病院を受診してください。1分1秒緊急の場合も可能性としてはありますので、すぐに対処すべきです。
今回は高齢者に多い腸閉塞と便秘の危険性についてご説明いたしました。腸閉塞という病気が高齢者に多いこと、その理由についてもご説明しました。腸閉塞がいかに緊急の事態かということも含めて知っておいていただきたいです。
腸内環境のみだれや高齢による筋力の低下などから、かなり便秘の方もいらっしゃいます。便秘は改善することは可能です。日頃から便秘にならないようにご自分に合った対策があれば対処しましょう。
便秘が腸閉塞の引き金になる可能性はゼロではありません。危険な状態の便秘になる前に便秘は早めに解消するのがよいです。
もう一度申し上げますが、便秘とは違う激しい痛みを伴う腹痛や嘔吐は腸閉塞の可能性が高く命の危険がある場合もありますので、必ずすぐに病院にいくようにしてください。
まとめ
高齢者に多い腸閉塞と便秘の危険性について(後編)
腸閉塞の予防方法について
腸閉塞と便秘のちがいについて