腸閉塞は、腹部の手術歴があったり腫瘍が原因で発症することが多い病気ですが、高齢者ほどそのリスクが高くなります。このような条件に該当する人の中で腹痛や嘔吐などの症状があれば、腸閉塞を疑ってみる必要があるでしょう。
死亡率 も決して低くはない 腸閉塞 の対処法について考えてみましょう。
腸閉塞の死亡率と対処について
腸閉塞は高齢者に多い
腸閉塞は、腹部の手術をしたことがある人や腸に腫瘍がある場合に多く発症する病気ですが、高齢者になるほどそのリスクは高くなりますし、加齢とともに腸の動きも悪くなってしまい、その危険はより高くなってしまいます。
また、高齢者では痛みを感じにくくなってしまう場合や、認知症などで症状を伝えることが困難な場合も多く、それだけ治療の対応が遅れがちです。腸閉塞は腸が詰まり、腸への血流が滞ったりするため、治療が遅れると腸管が壊死して危険な状態になります。
腸閉塞は軽い病気?
腸閉塞には、入院して点滴と絶食するだけでも1週間程度で治ってしまうものも多くあります。腸が壊死するなどの重大な問題がなければ、基本的に保存的治療が選択されます。
また必要があれば、イレウス管という管を経鼻的に胃から腸の閉塞している部分まで通し、腸に溜まった内容物や液、ガスを排出して減圧することで、腸を正常に戻す処置も行います。
このような治療を行うことで治癒するケースが多く、手術に至ることなく軽快することがほとんどです。そのため、すぐ退院できる病気という誤ったイメージがあるのではないでしょうか。
腸閉塞の死亡率と死に至るようなケースとは?
腸閉塞の死亡率は5~6%と言われていますが、実に20人に1人が亡くなっているということになります。しかし問題は、腸閉塞という病気をそこまで危険な病気と思っていない人が多いということです。
腸閉塞には軽い状態から重い状態までいろんなものがありますが、5~6%という実際に死亡してしまうような腸閉塞とはどのようなものなんでしょうか?
腸管がなんらかの原因で詰まってしまうと、腸管の中は食べ物や消化液、便などが大量にたまってしまいます。さらに腸管への血流が途絶えて壊死してしまった場合には、最悪の場合腸管が破れて腸の内容物が腹腔内に溢れてしまいます。
このような事態になってしまうと、大量出血やショック、敗血症などにより生命の危機を迎えてしまいます。緊急手術を行い、壊死した腸の切除と縫合、そして汚染された腹膜内の洗浄を行いますが、集中治療が必要な、かなり危険な状態と言わざるを得ません。
「腹痛くらいで病院へ行くのはおおげさ」と思って痛み止めを飲んで我慢してしまった結果、病院へ行ったときには既に重篤な状況になっていたというケースが考えられます。
腸閉塞が疑われる症状を知ろう
腸閉塞は、便秘などと勘違いされてしまうこともありますが、高齢者でお腹が張る、強い腹痛、嘔吐などがある場合には腸閉塞の可能性を考慮するべきです。
また、嘔吐物が黄色かったり便臭がするようであれば、かなり症状が進んでいると考えられますので、早急に医療機関で治療をする必要があります。
そして、さらに症状が進めば腸内に大量の水分がたまり、体は脱水状態になりすので、発熱や発汗、意識混濁、頻脈といった、ショック状態になってしまうことがあります。
腸閉塞のリスクが高い人
過去に腸閉塞になったことのある人の場合、再発するリスクが高いため、より注意が必要になります。また、腹部の手術をした事のある人も発症リスクが高いことを知っておく必要があるでしょう。
腸閉塞は、腸への血流が止まってしまうと、想像以上に早く腸管の壊死が進んでしまいます。自宅で様子を見ている間に取り返しのつかないことになってしまうこともあり得ますので、腸閉塞が疑われるような症状があれば、一刻も早く医療機関を受診しましょう。
まとめ
腸閉塞の死亡率と対処について
腸閉塞は高齢者に多い
腸閉塞は軽い病気?
腸閉塞の死亡率と死に至るようなケースとは?
腸閉塞が疑われる症状を知ろう
腸閉塞のリスクが高い人