大腸がん はその浸潤の具合により0から始まって4までと5つのステージに分けられます。 ステージ4 はその中でも最も重く癌が大腸壁に留まらず、すでに他の臓器へと転移が始まっている状態をいいます。
ここから快方に向かわれる方と末期と診断され死期を迎える方とに分かれる最終ステージでもあり、5年生存率も18パーセントと低くなります。ここでは転移初期の状態から治療手段を見出すことのできない末期がんにいたるまで、癌の転移のしくみや症状、治療について説明して行きます。
大腸がんステージ4について
- 目次 -
大腸がんの転移の仕組み
大腸がんの場合、癌が大腸壁の粘膜に限られた状態ですと転移は殆どありません。浸潤が粘膜下層や筋層と深くなるにつれ、そこにある血管やリンパ管へとがん細胞が入りやすくなり転移が始まります。
大腸がんの他臓器への転移の仕方には癌の位置や侵入方法により次の4つに分けられます。
血行性転移
これは癌が大腸壁の静脈に入ることから始まる転移です。狭い静脈血管から次第に太い静脈へと移ることで遠い肝臓や肺、脳などにも転移します。太い血管から再び毛細血管に入るとき、そこが転移先となることがわかっています。
リンパ行性転移
癌がリンパの流れにのって転移します。大腸癌のそばのリンパ節から離れた所のリンパ節へと転移が進み動脈の周囲が腫れあがります。
直接浸潤
癌が大腸壁を破り、周辺の臓器に直接浸潤する転移です。最初に癌のできた場所によって転移する臓器も変わってきます。
腹膜転移
癌が腹膜にばら撒かれた様に転移しています。症状が少なく臓器にも転移が見られないなどして気がつかれないこともあり、発見されたときにはかなり癌が進行しています。
ステージ4の症状
転移したてのころは大腸がんを特定できる症状はなく、胃がんなどと共通した症状がみられます。腹部では腹痛や膨満感、みぞおち辺りの不快感などがあります。
また、排便においては便秘、軟便、頻便、タール便といった症状があり、全身では食欲不振、倦怠感、腰痛や背痛などがあります。
さらに癌が進行してきますと、大腸がん特有の症状が見られるようになります。特に排便においては癌が盛り上がり圧迫することで腸管内が狭くなり便が出ずらくなり便秘と下痢を繰り返すといった特徴があります。
大腸粘膜が癒着を起こし腸閉塞になりますと排便不能になります。体も見るからに痩せてきて痛みもひどくなってきます。
治療
ステージ4での治療は転移した場所や状態によってごく限られたものになります。癌が局所で切除が可能な場合は手術が有力な手段となります。その反対に散在していたり、多臓器に及んでいる場合は化学療法がとられます。抗がん剤や放射線により癌の進行拡大を防ぎます。
その効果がはっきりと立証されたわけではありませんが免疫療法や漢方薬、サプリメントなど様々な代替治療も一部では紹介されています。
末期
ステージ4にあって有効な治療法がなくなったとき末期と診断されます。末期から回復された方もいらっしゃるようですが死期が近づいたことになります。投薬も抗がん剤からモルヒネといった鎮痛目的なものに代わり、症状からも激痛や排便不能、激痩せと、はっきりそれと判るようになります。
医師からは残りの寿命を知らせるべく余命宣告があり、今後の延命治療をどうするかといった判断をしなければなりません。患者に告知すべきか、どうかで迷われるようですが、知らせることによって、その人が自分の残りの人生をどう過ごすか考える時間を与えてあげられます。
知らせなければホスピスなどに入所することもできません。痛みから逃れ辛い抗がん剤治療を止めることによって余命宣告された期限を過ぎても元気で過ごしておられる方が沢山いらっしゃるようです。
まとめ
大腸がんステージ4について
大腸がんの転移の仕組み
ステージ4の症状
治療
末期