副鼻腔炎で咳が止まらない方や、長期間にわたって咳症状が改善されずに不安を抱かれる方も多くおられます。副鼻腔炎は鼻の病気ですが、中には気管支炎などが原因となっている場合もあります。 副鼻腔炎 と 咳 についてご説明いたします。
副鼻腔炎と咳の意外な関係性とは
副鼻腔炎の咳は「後鼻漏」が原因
副鼻腔炎は、鼻汁や鼻閉感などの症状のほかに、後鼻漏といって鼻水が喉へ流れ落ちる症状が不快に感じる方が多くおられます。
副鼻腔炎の鼻汁は症状が進行するにつれて鼻汁の量や粘度が増加します。普段から、ある程度の鼻汁は喉に流れ落ちているのですが、粘度が増すことによって、喉にあたるため刺激となり咳や痰が出るのです。
副鼻腔炎の咳は、炎症によって排出された鼻汁が喉に流れ落ちる後鼻漏が原因だったのです。副鼻腔炎の治療をすることで症状の軽減が図れるでしょう。
副鼻腔炎の咳はうつるのか?
副鼻腔炎の咳が他者に感染するかというと、副鼻腔炎はうつらないが風邪などをうつしてしまう可能性があります。
副鼻腔炎は文字通り、副鼻腔に炎症が起きている状態ですが、原因となった事柄が風邪やインフルエンザなどであればその菌が副鼻腔で「炎症」引き起こしたといえるのです。
免疫力が低い子どもや、高齢者、免疫疾患を有する方が側にいた場合には、風邪などを感染させてしまう危険があるのです。
副鼻腔炎の症状がある場合には、マスクを着用するといった周囲への配慮が大切です。また副鼻腔炎の方は、粘膜に炎症が起きている状態ですのでご自身が風邪を引きやすいなどのリスクもあるので注意しましょう。
副鼻腔炎を起こしやすい病気がある!
副鼻腔炎の咳と切れない関係にある病気があります。副鼻腔炎は、細菌やウイルス、真菌、アレルギー性鼻炎以外の病気によっても起こることがあるのです。
気管支喘息の中でも、非ステロイド性抗炎症薬や風邪薬などが原因となって起きる喘息発作の「アスピリン喘息」、原因不明の咳と痰が長期的に続く「慢性気管支炎」、気管支の一部が拡張し炎症が起きる「気管支拡張症」や肺と末梢の気管支をつなぐ部分に炎症が起きる「びまん性汎細気管支炎」などこれらの有する方は副鼻腔炎を合わせ持つ方が多くおられます。
逆に、慢性副鼻腔炎の方が、気管支喘息になるケースもあり注意が必要です。
副鼻腔炎気管支症候群って?
上気道病変の慢性副鼻腔炎と下気道病変の慢性気管支炎、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎をあわせ持った病態を「副鼻腔気管支症候群」と呼びます。
副鼻腔から気管支までの粘膜が免疫異常により慢性の炎症を引き起しているのではないかとされていますが詳しいことは不明です。咳や痰以外にも、労作時の息切れを伴い大変な苦痛です。主に服薬による治療になります。
治療は副鼻腔炎だけではなく、気管支炎などの疾患もみていく必要があり、耳鼻科や内科、呼吸器科などの連携が必要なこともあります。
予防が大切!風邪などの後は要注意!
急性副鼻腔炎など短期間の副鼻腔炎で完治される方は問題ありませんが、慢性副鼻腔炎の場合は服薬以外にも手術するケースもあります。副鼻腔炎は誰もがかかりうる病気であることから、風邪予防を徹底することが必要です。
乾燥する季節や感染症流行時期はマスクの着用、常日頃から手洗いやうがいの習慣を身につけておくことが肝心です。
アレルギー性鼻炎の方は、慢性副鼻腔炎を併発しやすいので専門医の受診をされコントロールをしていただくことが望ましいでしょう。
副鼻腔炎に限らずですが、むやみに市販薬を使うとかえって症状が悪化することがあります。その時の状態に合った治療をすることによって副鼻腔炎の咳などの症状の改善につながるのではないでしょうか。
まとめ
副鼻腔炎と咳の意外な関係性とは
副鼻腔炎の咳は「後鼻漏」が原因
副鼻腔炎の咳はうつるのか?
副鼻腔炎を起こしやすい病気がある!
副鼻腔炎気管支症候群って?
予防が大切!風邪などの後は要注意!