逆流性食道炎の咳は、激しい吐気や嘔吐を伴います。いつ起こるのかわからない不安が常にあり、食事をとるのも恐怖に感じられる方もいます。この疾患は加齢とともに誰もがなりかねない疾患であります。
逆流性食道炎 の 咳 の特徴や改善方法や注意したい症状について詳しくご説明いたします。
逆流性食道炎による咳の特徴と改善方法
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逆流性食道炎で咳が出る理由とは
逆流性食道炎による咳はなぜ起こるのかというと、胃液の逆流によって喉頭に胃液が触れてしまうからです。胃液の成分は大きく分けて、酸とペプシンで構成されています。喉頭は粘膜で覆われていることから、胃液の酸がその粘膜を荒らしてしまい炎症が引き起こされるのです。
慢性的に逆流した胃液が気管へと吸い込まれることからひどい咳が出てしまうのです。逆流性食道炎は粘膜の炎症によって慢性的な咳が続く、喘息、嗄声や声帯ポリープなどの疾患に移行しかねない疾患であります。
逆流性食道炎による咳はどんな咳なのか
逆流性食道炎による咳は、嘔吐をしてしまいそうなえづく咳です。このひどい咳の症状が出る直前まで何もなくいたという方が多く、急に食道に熱感を感じたと思ったら咳が出始めて止まらなくなるのです。
逆流性食道炎の咳は、一見するとむせ返した時のような咳に感じるのですが、顔を紅潮させてひどく咳き込み、中には腹膜が刺激されて嘔吐される方もいます。嘔吐よって、症状が落ち着く方や症状消失にしばらく時間を要してしまう方などさまざまです。
逆流性食道炎の咳はどんな時に起こるのか
食事を食べ始めてから、逆流性食道炎による吐き気を伴う咳き込みや荷物を持ち上げるとき、作業で上半身が下方に向いたときに胃酸の逆流が起きて咳が出てしまうことがあります。
就寝や休息で臥床した際にも、逆流が抑制できないために咳が出始めてしまうことがあります。
自身の体に合わない窮屈な下着や衣服を身に着けると胃が横から圧迫され、逆流性食道炎の症状を呈すことがしばしば見られます。
このように、下部食道括約部圧の低下が原因の疾患は胃酸を胃に留めておくことが難しいので、逆流する条件が整えばいつでも症状が出現するのです。
逆流性食道炎に咳止めの効果と長引く咳には注意が必要
逆流性食道炎の症状が出始めて、咳が悪化し咳止めを内服される方がいます。逆流性食道炎のメカニズムを知っていれば効果がないことは歴然としていますが、病院での診断がされる前の段階では、体調不良による症状と自己診断してしまいがちです。
逆流性食道炎は、咳以外にも胸やけや呑酸(胃酸が込み上げてくる)といった主症状が伴います。このような症状のほかにも、透明様の粘液用の痰が絡むいったケースもあるので咳症状だけに注視すべきではないといえます。
逆流性食道炎の咳も症状の緩和がされない限り、慢性的な症状ですが、咳以外の嗄声や発声に違和感がある場合には結核・悪性腫瘍、気管支や肺に疾患が発見されることもあります。症状の程度に問わず、以前と違う症状が有している方は早めに受診することが大切です。
逆流性食道炎を有している高齢者が特に注意したいのが、誤嚥性肺炎です。炎症が起きた状態が長く続くことで抵抗力が低下し、咳などの症状で誤嚥が増加します。
咳き込んで嘔吐した場合、その後に発熱や体の倦怠感、呼吸苦などの症状が出た場合には誤嚥性肺炎の可能性もあるので注意が必要です。
逆流性食道炎の咳症状を緩和・抑制するには
逆流性食道炎の咳はとにかく辛いです。この症状を緩和・抑制するには逆流性食道炎の病態の理解と日常生活上の注意点がいくつかあります。
食事は高脂肪食や刺激の多い食べ物やコーヒーや炭酸、緑茶などの飲み物は控えるようにします。アルコールは食道と胃の境目の括約筋を緩めてしまうので逆流性食道炎の症状が出やすくなります。暴飲暴食をすると胃酸が多く分泌され、逆流しやすくなります。
咳を緩和・抑制するには早食いは止めて、ゆっくりと消化の良いバランスのとれた食事を心掛けたいところです。消化にいいものというと、お粥しか食べない方がいますが、栄養バランスの乱れは体の不調へと繋がり、逆流性食道炎を悪化させるので注意が必要です。
生活では姿勢を正し、就寝時は背中に毛布などを挟み、上体が高くなるようにして休みます。右下にして休むことも逆流を抑制してくれます。
腰痛などでやむを得ず、コルセットを着用している場合には食事や休息・就寝時は外すようにして、コルセットの締め付けがきつすぎたりしないようにするといいでしょう。指が2,3本入る程度に留めておくことがポイントです。
必要以上の腹圧がかかる、前かがみやしゃがんでの仕事や運動は避けて過ごしましょう。
ストレスや便秘でも逆流性食道炎の咳やほかの症状が悪化しますので、ストレス緩和や便秘予防に努めることが必要です。
まとめ
逆流性食道炎による咳の特徴と改善方法
逆流性食道炎で咳が出る理由とは
逆流性食道炎による咳はどんな咳なのか
逆流性食道炎の咳はどんな時に起こるのか
逆流性食道炎に咳止めの効果と長引く咳には注意が必要
逆流性食道炎の咳症状を緩和・抑制するには