寝ているときに無意識に 歯ぎしり をしていることがありませんか?歯科医を受診すると マウスピース をすすめられることが多いようです。市販品もたくさん売られており、種類や値段もさまざまです。
ここではマウスピースの効果や費用などについて説明します。
歯ぎしりの治療にマウスピースは有効なのでしょうか?
そもそも歯ぎしりとはなんでしょう
寝ているときに歯を噛みしめて音が出る症状だと考えている方が多いでしょう。正確には「上の歯と下の歯が非機能的な接触を生じている」状態を指しています。
音が出ることではなく、上下の歯にグッと強い力が加わる状態を言います。
寝ているときに起こる歯ぎしりを「睡眠時ブラキシズム」、起きているときに起こる歯ぎしりを「覚醒時ブラキシズム」といいます。
また、歯ぎしりには詳しく分類すると3種類あります。
一般的にはギリギリという音が出るイメージがありますが、これは「グライディング」と言われています。あごを左右に動かし、歯をこすり合わせて音を出している症状です。
他にも「タッピング」と言われる何かを噛んでいるように歯を早くかみ合わせ、カチカチという音をさせる症状、「クレンチング」と言われる奥歯を強く噛みしめ食いしばる(音はしない)症状があります。
歯ぎしりの原因はなんでしょう
歯ぎしりがどうして起こるのかについては、いくつかの理由が考えられています。もっとも大きい原因としてあげられているのはストレスです。
最近の研究では、睡眠中の大脳上位中枢の興奮に由来することがわかっています。日中に大きな精神的な負荷がかかったり、日ごろの疲れがたまったりすると、睡眠中(浅いノンレム睡眠時)に無意識にストレス発散として歯ぎしりが発生すると考えられています。
ほかにも飲酒や喫煙、カフェインの過剰摂取、服薬や睡眠障害なども原因としての可能性を指摘されています。
また、かみ合わせや歯並び、あごの変化なども歯ぎしりを起こす要因として考えられていますが、現時点では発生のメカニズムは完全には解明されていません。
マウスピースとはどんなものでしょう
歯ぎしり用のマウスピース(マウスガード・ナイトガード)とは、取り外しができる矯正装置と考えればわかりやすいと思います。樹脂製で上あごに装着するものが一般的です。
歯がこすれることによって起こる磨耗を防止でき、マウスピースが緩衝材となって歯ぎしりの衝撃緩和ができることから、歯やあごにかかる負担が軽減できます。
EVA(エチレン、酢酸ビニルコポリマー、熱可塑性プラスチック)樹脂やシリコンなどの素材でできたソフトタイプのものとアクリル樹脂やプラスチック素材などのハードタイプのものが存在します。
市販品はソフトタイプのものがほとんどです。お湯につけて自分で型を取るタイプと奥歯だけを固定させるタイプに大別され、価格は1,000円程度の安価なものから3,000円以上するものまで幅広くあります。
歯科医がマウスピースをすすめる理由はなんでしょう
歯ぎしりは、その原因が特定できず、また治療をしても完全に止めることがむずかしい症状です。
しかし放置しておくと歯が磨耗したり、あごに痛みが出るなどの悪影響があるため、歯ぎしりをおさえる、軽減するという対処法としてマウスピース(ナイトガード)の使用を推奨している歯科医が多いようです。
保険適用の治療となりますので、費用は5,000円~7,000円くらいの自己負担となります(歯科医によっては、保険外の自費診療となり、高額提示されることもあるようです)。
患者の歯に合うように型取りをして作成してくれるため、市販のものより安心して長く使用できます。マウスピースは歯ぎしりの抑制以外にも効果が認められています。
歯根膜炎、歯周病や顎関節症、知覚過敏などにも有効といわれています。
また噛みしめや歯ぎしりの影響による歯牙破折、セラミック破折、詰め物の脱落、欠損などにも有効です。ただし、あくまでも歯ぎしりをなくしてしまうことはできず、歯やあごを保護する目的としての使用になると説明されるでしょう。
歯ぎしりの原因には個人差があり、それによって起こる不具合も人それぞれです。歯ぎしりの治療にはマウスピースの導入以外にも噛み合わせの治療や筋肉マッサージ、ボトックス治療、矯正治療などの方法があります。
まずは歯科医と充分な相談をしながら治療を受け、マウスピースが現在の自分にあった治療法かどうかを確認するのがよいでしょう。
まとめ
歯ぎしりの治療にマウスピースは有効なのでしょうか?
そもそも歯ぎしりとはなんでしょう
歯ぎしりの原因はなんでしょう
マウスピースはどんなものでしょう
歯科医がマウスピースをすすめる理由はなんでしょう