ステージ4 は、 胃がん の末期です。ここまで来ると、もはや胃だけの問題ではなく肝臓や肺などの臓器にがん細胞が遠隔転移しており手術で完全にがんを取り除くことは難しくなります。
そして残念ながら、この段階での5年生存率は10%以下です。治療方針をどうするか、医師と患者本人共に非常に難しい選択を迫られることになります。
今回は、末期がんにおける考え方や治療法をご紹介します。
ステージ4の胃がん治療の選択肢
一般的な抗癌剤の使用目的
抗癌剤は、手術前と手術後に使われるのが一般的です。手術前は、少しでも切除するがんを小さくして体への負荷を抑える目的で使われます。そして手術後は、取りきれなかったがん細胞の増殖や転移を抑えるのが目的です。また、がんによる症状を和らげる目的で使用されることもあります。
抗癌剤・放射線治療と対処手術
ステージ4において手術が不可能と判断された場合、抗癌剤や放射線による治療と痛みを和らげる鎮痛剤投与や対処手術を施すのが一般的です。
しかし、胃がんは抗癌剤が効きにくいと言われています。これまで様々な抗癌剤が開発されてはいますが、それだけでがんを根治させることは限りなく不可能に近いのが現実です。
抗癌剤を使用し放射線治療を施すことで、完治しないまでもがんと戦い続けて少しでも長く生きるという選択肢があります。しかし抗癌剤の投与は、個人差はありますが様々な副作用を伴います。
患者には精神的、肉体的にかなりの苦痛を強いられますので、治療を続けるには強い精神力が必要です。そして経済的な負担も大きく、献身的な家族の協力も必要になります。
補完代替医療
これは通常の病院での治療とは別に、人間が本来持つ免疫力を向上させる様々な民間医療を利用しようというものです。昔から伝わる体に良いものとか、様々なサプリメントなど多種多様です。
しかし、その治療効果が科学的に証明されたものではありません。あくまでも補完であり、代替なのです。当然、人によっては合わないこともあるでしょう。また保険の対象外ですから、ものによっては高価なものもあります。
「溺れる者藁をも掴む」と言いますが、無闇にあれこれ手を出すのではなく、様々な情報を集めて客観的に判断するべきでしょう。近年では医師も補完代替医療に関する知識を持っていますので、担当医に相談しながら検討することをお薦めします。
補完代替医療についての詳しい情報は、厚生労働省がん研究助成金による(がんの代替療法の科学的検証と臨床応用に関する研究班)が発行している「がんの補完代替医療ガイドブック第3版」という資料があります。ここには補完代替医療に関する情報が詳しく載っていますので、興味のある方は参考にしてください。
科学では説明しきれない心の作用
補完代替医療とは別物ですが、科学では説明しきれない「心の免疫力」があります。末期がん患者が余命を宣告され、残りの人生を好きな様に楽しく生きようと決断する。そして旅行や趣味を楽しんでいたら、いつの間にかがんが完治していた。そんな話を聞いたことはありませんか。
楽しく笑って日々を過ごすことで、体に巣食っていた悪玉細胞を撃退し健康体を取り戻した事例です。つまり心のエネルギーが科学では説明できないパワーを発揮し、末期がんから生還させたということです。
どんな治療法を選択するにしても、大切なのは諦めないことです。同じ末期がんであっても、人によって置かれた環境や人生の有り様は色々です。ステージ4と診断されても、5年以上生存している人もいるのです。
ステージ4は、決して死の宣告ではありません。何時死ぬのかを考えるより、今をどう生きるかを考えることが大切ではないでしょうか。
まとめ
ステージ4の胃がん治療の選択肢
一般的な抗癌剤の使用目的
抗癌剤・放射線治療と対処手術
補完代替医療
科学では説明しきれない心の作用