潰瘍性大腸炎の原因については、まだ解明が進んでいないこともあり潰瘍性大腸炎は厚生労働省特定疾患の難病に指定されています。病気は重症度によって経過はさまざまですが、あらわれる症状は共通し、重症化するほど症状も顕著になってきます。
今回は、 潰瘍性大腸炎 の代表的な 症状 について詳しく解説します。
潰瘍性大腸炎の代表的な5つの症状
便に血液や粘液が混じる
潰瘍性大腸炎の症状で一番多い症状は、血便と粘液が混じった便がでる症状です。潰瘍性大腸炎に似ている症状がみられる病気には、クローン病と切れ痔があげられます。
クローン病は、大腸だけに炎症が広がる潰瘍性大腸炎とは違い、小腸や食道などの粘膜にまで炎症が広がる病気です。潰瘍性大腸炎と症状は似ていますがクローン病はまれな病気であり、専門的な治療が必要な病気です。
潰瘍性大腸炎はクローン病と比較すると、治療方法が比較的確立しています。便がしだいにやわらかくなり、血液が混じる症状があれば早めに診断を受け、適切な治療を開始することが望ましいでしょう。
また、便の固さに問題がなく便の表面だけに鮮血が付着している場合は痔やポリープの可能性が高いです。潰瘍性大腸炎が原因による血便の特徴は、下痢とともに血液が出ていることです。
排便の回数は、初期のうちはそれほど多くはありません。初期症状と判断される排便回数は、5回以内程度です。症状が重くなるにつれて便の回数が増える特徴があります。
下痢または便意があっても便が出にくくなる
潰瘍性大腸炎の好発部位は直腸です。炎症が直腸だけでなく大腸全体に広がってくると、下痢の症状とともに腹痛が強くなってきます。潰瘍性大腸炎の腹痛の特徴は、けいれん性の腹痛です。
けいれん性の腹痛の特徴は、痛む部位が一か所に集中せずお腹全体が締めつけられるように痛むことが特徴です。排便の回数も1日に十数回まで増えてきますが、排便する便がないため便意はあるのに便がだせない症状も潰瘍性大腸炎の特徴です。
昼夜問わず便意におそわれるため、睡眠不足になり体力低下をまねくこともあり、症状の経過は人それぞれ異なりますが、症状が悪くなったり軽くなったりを繰り返す人、急激に悪化する人、大出血をする人などさまざまです。
大出血や急にお腹に激痛を感じた場合は緊急性がありますが、潰瘍性大腸炎が原因でショック状態におちいるような大出血をすることはめったにありません。
発熱
潰瘍性大腸炎で発熱の症状が見られた場合は重症化しているおそれがあります。発熱の症状がみられると脈がはやくなっていることもあります。血液や粘液が混じった下痢便と38度以上の発熱が続いているときは潰瘍性大腸炎を疑い、すみやかに医療機関を受診しましょう。
貧血
下痢の回数が増えてくると出血量が増えてくるため、体内の鉄分が減り鉄欠乏性貧血の症状が出始めます。顔色が悪く常に体がだるく感じる人もいるでしょう。貧血の症状がみられる段階は、かなり潰瘍性大腸炎の症状が進んでいるため入院が必要になる場合もあります。
潰瘍性大腸炎の中でも手術を必要とする割合は30%です。患部が広範囲に広がれば広がるほど手術が必要になるため、貧血の症状が強くなる前に医療機関を受診することをおすすめします。
食欲減退と体重減少
潰瘍性大腸炎が進行すると、食べるとおなかが痛くなるという精神的なプレッシャーもあり、食欲が落ちてきます。食欲が落ちても便意がおさまることはないため、体重の減少が始まります。便はゼリー状の粘液と血液しか出せない状態になり、体力はみるまに落ちてしまうのです。
潰瘍性大腸炎は、外来の治療でも気長な治療を必要とします。悪化すると手術と1か月以上の入院になることもあるため、体重減少などの全身症状へ進行する前に治療を開始することが大切です。
まとめ
潰瘍性大腸炎の代表的な5つの症状
便に血液や粘液が混じる
下痢または便意があっても便が出にくくなる
発熱
貧血
食欲減退と体重減少