肝硬変とは肝炎や様々な原因によって、肝臓が炎症や壊死を繰り返して起こる肝障害の事です。 肝硬変 の人は通常の人と比較し、食べ物を消化する機能が低下しているので、身体に負担が掛からない 食事 を摂る事が治療の上でも重要になります。身体の状態によって食事制限の程度なども変わってきますので、医師や栄養士など専門家と相談しながら栄養バランスを取っていく事が良いでしょう。
肝硬変の人の食事について
肝硬変の症状によって食事の内容が変わる
肝硬変には、黄疸や腹水などの症状が出現していない「代償性肝硬変」と、症状が出現している「非代償性肝硬変」に区別されます。
「代償性肝硬変」の場合は高タンパク、高エネルギーの食事を摂取する事が勧められます。血液中のタンパク質の量を多くし、肝細胞の再生や回復を促すためです。また、肝臓が脂肪で浸潤するのを予防する効果もあります。
逆に、「非代償性肝硬変」の場合は、タンパク質が少ない食事を摂るようにします。これは、アンモニアの発生を防ぐためです。アンモニアは肝性脳症などの症状を悪化される可能性があるからです。
一度に多く食べない!
タンパク質が肝臓に良いからと言って、一度に多くのタンパク質を摂取しても効果は大きくありません。少しの量を数回に分けて摂取していくようにして下さい。数回に分けて食べることで、ゆっくり消化・吸収され、肝臓にも長期的に高タンパク質が吸収されていきます。
赤身の肉や魚、大豆や乳製品などが多くのタンパク質を含んでいます。また、タンパク質の摂り過ぎはかえって肝臓に負担を掛けてしまいます。適量をゆっくり摂取する事が大切です。
野菜や海藻も食べましょう
タンパク質を多く含む物だけでなく、野菜や海藻もしっかり摂る事が大事です。野菜や海藻はビタミンや食物繊維を多く含んでいます。食物繊維は便通を良くしてくれます。便を出すという事は身体の毒素を外に出してくれるということであり、非常に重要な役割となります。
サラダを摂取する事も良いですが、温野菜の方が身体の負担も少なく、生野菜より多くの野菜が摂取しやすいとされています。
脂肪分は少なめに
脂肪分は消化に悪いばかりか、肝臓に負担を掛けます。全く摂ってはいけない訳ではありませんが、控え目にして下さい。特に古くなった脂肪は特に肝臓に負担を掛けると言われています。日にちが経ったスナック菓子や揚げ物などは控えるようにして下さい。
乳製品のチーズなどはタンパク質も含んでいますが、脂肪分も多く含んでいます。食べる量には気をつけるようにします。
肝硬変の人が控えた方が良い食べ物
先程の脂肪分を控えるのに加え、熱すぎるものや冷たすぎるもの、香辛料が効いたものや味の濃いものなど刺激の強いものは基本的に食べるのを控えるようにして下さい。脂肪肝から肝硬変になった人の場合は、甘い物も控えましょう。
また、アルコールの入ったものも肝臓に大きな負担を与えるので絶対に食べたり飲んだりしないようにします。出血傾向などの症状がある場合はビタミンKを多く含む食事、浮腫や腹水がある場合は減塩を心掛けた食事が必要になります。
家族や周りの人も協力を!
肝硬変の人の食事は制限も多く、本人にとっては大きなストレスになります。また、長期間続けて行かないといけないという事もあり、忍耐と根気が必要となってきます。本人が少しでもモチベーションがあげられるように家族や周りの人の協力が不可欠となってきます。
そのためには、本人だけではなく、家族や周りの人も肝硬変の病気を理解し、一緒に治療していく事が必要です。また、症状によって食べて良い物、悪い物が変わってくるので、日頃の症状をよく観察し把握しておく事が必要になります。
まとめ
肝硬変の人の食事について
肝硬変の症状によって食事の内容が変わる
一度に多く食べない
野菜や海藻も食べましょう
脂肪分は控え目に
肝硬変の人が控えた方が良い食べ物
家族や周りの人も協力を!