肝硬変は日常生活が制限されたり予後も悪化する事が多いため人々にストレスや不安をもたらします。身体的苦痛も大きいですが、余命宣告による死への恐怖などから精神的苦痛に悩まされる事が多い病気です。
長期療養が必要な場合も多いので本人だけではなく、家族や周りの人が病気を正しく理解し対応していく事が大切になります。ここでは 肝硬変 の予後や 余命 について述べていきます。
肝硬変の人の余命はどのくらいなのか
肝硬変の人の予後はどうなる?
肝硬変の人の予後は一昔前は、消化管出血や肝性脳症で亡くなる人が多く、その次に肝不全や肝がんが続いていました。現在は、肝がんになる人の割合が増えてきており、過半数を占めるようになってきています。
これは消化管出血などの治療方法が発達した事と、それにより肝硬変の人の余命が延びてきている事が理由とされています。
また、肝硬変は症状の発現をみない「代償性肝硬変」と腹水や黄疸など症状の発現をみる「非代償性肝硬変」に区別されますが、代償性から非代償性へ移行する人は年間に5、6%だと言われています。肝硬変の予後は、いかに代償性肝硬変の状態が維持できるかによっても変わってきます。
5年生存率はどのくらい?
先程も述べたように、肝硬変の人の死因で最も多いのは肝臓がんの併発です。肝臓がんはがんの中でも予後が不良の場合が多く、再発の可能性が高いがんの1つだと言われています。
がんはステージという分類表で重症度を5つのグループに区分しますが、肝臓がんの場合一番軽症のステージⅠでも5年生存率は約50%と言われています。一方、肝がんの合併がみられない場合、5年生存率は80%以上と高くなっています。
また、肝硬変の中でも非代償性肝硬変の場合は5年生存率が約40%と言われています。血液中にはタンパク質の成分となるアルブミンという成分が含まれていますが、このアルブミンの値が2.5g/dl以下になってくると予後が悪いとされています。
しかし、これらの数値はあくまで指標であり、肝がんになった人でも何年も普通の日常生活を送っている人も多くいます。
肝硬変の悪化予防のために出来ること
残念ながら肝硬変はなってしまったら完治する事は出来ません。しかし、生活の中で悪化を防いだり遅らせることは出来ます。まずは規則正しい食事を摂る事です。医師や栄養士の言われた通りタンパク質の多いものを摂取し(非代償性肝硬変の場合は除く)、野菜などの繊維質もしっかり摂るようにします。
しかし、摂りすぎも肝臓に負担を掛けるので、栄養士などと相談しながら適度な量をバランスよく摂る事が大切です。アルコールはもってのほかです。
また、安静をしっかり取り肝臓への血流量を多くすることが大切です。運動や仕事も全くやってはいけない訳ではありませんが、肝硬変の症状の程度によって制限が変わってきますので医師の指示に従うようにして下さい。
家族の人も協力を
肝硬変は長期間の療養生活となるため本人にとって、身体的にも精神的にも大きな負担を与えます。そのため闘病生活には家族の支えは欠かせません。特に肝硬変は、「肝硬変→肝臓がん→死」というイメージをもたらしやすく本人に大きな不安を与えます。
家族の人も不安が大きいと思いますが、病気や治療を正しく理解し一緒に病気と闘う事が必要となってきます。特に肝硬変はその程度によって症状が様々に変わってきます。その症状を家族の人もしっかり把握し、何か変わった症状や様子がみられた場合は早期に病院に受診する事が予後の悪化を防ぐ事にも繋がります。
また末期になってくると身体症状だけでなく、幻覚や徘徊などの精神症状がみられる事も多く家族にも更なる不安や心配、そして看病の負担が圧し掛かってきます。看病の疲れや不安な気持ちなどは隠さずしっかり医師や看護師に伝えるようにし、少しでも気持ちを楽にして下さい。
まとめ
肝硬変の人の余命はどれくらいなのか
肝硬変の人の予後はどうなる?
5年生存率はどれくらい?
肝硬変の悪化予防のために出来ること
家族の人も協力を