肩を動かすと痛みが走る、ジッとしていてもズキズキ、痺れなど肩の痛みは実に多くの方が悩まれている症状の一つです。肩の理解を深め、正しい治療をすれば改善や治癒が可能です。
肩の痛み についてお伝えいたします。
辛い肩の痛みの原因はどこからくるのか
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肩の痛みを制すにはまず肩の構成を知ること
肩関節は「肩甲骨・上腕骨・鎖骨」から構成されていて、腱板という4つの筋肉が、肩甲骨と上腕骨を覆うようについています。肩甲骨と上腕骨は日常動作で最も大きく動かす部位であり、肩の痛みを伴う病気が起きやすいのです。
頚椎とも動きが連動するため、頚椎に障害が起こると無意識のうちに他の筋肉などで動きをカバーするため肩関節にも痛みなどの症状が出てくるのです。
肩の痛みを引き起こす部位は大まかに3つ
高齢者の場合、腰痛・膝関節痛に並んで多い症状が「肩の痛み」です。肩の痛みを引き起こす原因となる部位が、肩関節そのものと頸椎、肩甲骨周囲の筋肉です。
よく動かす部分が、加齢によって変性してしまうために何かしたわけでもないのに、病気を引き起こしてしまうのです。肩こり程度に考えていたら、実は違ったということが多々あるのです。
中高年から高齢者に多い肩の病気3つ
肩の痛みを引き起こす病気には、年代によって増加する病気があります。
肩関節周囲炎は五十肩とも呼ばれています。肩関節の骨や筋肉や軟骨・腱などが加齢によって炎症を起こすため発症します。悪化すると肩の動きを良くするための関節包などが固まり肩関節の動きが悪くなります。
症状は肩の痛みはもちろんですが、肩の動きが鈍く、思うように肩が動かせない状態になります。時には眠れないほどの痛みがでます。
石灰性腱炎は女性に発症することが多いようです。リン酸カルシウム結晶が腱板で付着することによって発症します。最初は液体ですが徐々に粘度が増し、やがて石灰化してくると、肩に痛みが生じるようになります。
就寝時に発症することが多く、猛烈な痛みから睡眠を妨げることがあります。数週間で治まる急性型と数か月かかる亜急型、限られた動作時の肩の痛みが6か月以上続く慢性型があります。
腱板断裂は60歳ころがピークで、右肩に発症します。腱板が骨と骨に挟まれている部位であることと加齢により断裂しやすい部位であるのです。明らかな原因がわかることもありますが、日常生活動作で発症することからも利き手の使い過ぎではないかとされています。
症状は動きの悪さや肩の痛み、眠れない夜間痛です。肩関節周囲炎と症状がよく似ていますが、肩の痛みがあっても肩関節の挙上が可能な点です。肩関節を動かしたときに「ギシギシ」「ポキポキ」などの軋轢音を感じる方もおられます。
肩以外の内臓が原因で肩に痛み起こる病気
肩に痛みを感じていても、よほどでないと受診をしない方も多いのではないでしょうか。他の臓器に異常ある場合にサインとして肩の痛みを生じることがあります。
胃の不調やで左肩や左肩甲骨が痛むことがあります。覚えのない痛みが続く際にはご自身の胃腸の調子はどうか考えるのもいいかもしれません。
初期の膵炎ではみぞおち痛と左肩の痛みがでることもあります。心筋梗塞などでは胸痛発作と左肩への放散痛を感じられる方もいます。
肝機能が低下すると、背部から右肩の痛みやコリを感じることがあるようです。今まで、なかった症状が出た場合には自身の体調に気をつけ適宜受診する必要があります。
セルフケアはかえって悪化することもある
肩の痛みが自制内だと、安易に湿布を貼付しストレッチをされる方がおられます。病院で行うリハビリは、専門的な知識を有するスタッフが医師の指示に従い、症状にあわせて適切な療法をしてくれるのです。
個人の場合は、基本的に肩の痛みが急に出たら、肩関節は動かさず安静にすることが大切です。原因がわからなければ、治りようもないので受診することが、肩の痛みをとる最善策といえるでしょう。
まとめ
辛い肩の痛みの原因はどこからくるのか
肩の痛みを制すにはまず肩の構成を知ること
肩の痛みを引き起こす部位は大まかに3つ
中高年から高齢者に多い肩の病気
肩以外が原因で肩に痛み起こる病気
セルフケアはかえって悪化することもある