人間ドックでの 血液 検査 では聞き覚えのない項目がたくさんあります。正常値ならスルーしても問題ありませんが異常値だと心配です。アルファベットの羅列なので何を意味するのかもわからず不安になることはありませんか?
ここでは、その中から CK という項目についてまとめました。
血液検査の項目でCKとは何をあらわすのでしょう?
CKとは何をあらわすのでしょう?
CKとはクレアチンキナーゼという酵素の略称です。病院によってはCPK(クレアチンホスフォキナーゼ)と表示されている場合もあります。
CKは筋肉や脳に存在する酵素で、筋肉の弛緩・収縮に必要なエネルギーを蓄える役割をしています。骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに多く含まれており、これらが損傷を受けると血液の中に流れ出して数値が増加することから、病気の発見につながります。
CKとアイソザイム
CKには2つのサブユニットとよばれるものがくっついています。1つはM(Muscle)筋肉を意味しており、筋肉内に多く見られます。もう1つはB(Brain)脳を意味しており、脳内にたくさん存在しています。
この2つのサブユニットの組み合わせでCK-MM型・CK-BB型・CK-MB型の3つに分類されます。これら3つの組み合わせをアイソザイムと呼び、アイソザイムを調べることで、体のどの部分が損傷を受けているのかを推測することができます。
CK-MM型は骨格筋に、CK-BBは脳に、CK-MBは心臓(心筋)にそれぞれ多く存在します。
CKの基準値は検査方法により違います
CKには測定方法が数種類あり、それぞれに基準値が異なっています。またCKは筋肉量に比例するため、男性と女性でも基準値が違います。ここでは一般的な数値として記載されている数値を参考までに紹介します。
- 男性:60~270IU/L(JSCC標準化対応方法による)
- 女性:40~150IU/L( 〃 )
最近では血液検査の結果は、検査報告書として患者の手元にわたりますので、そこに記載してある基準範囲を参考にしてください。なお、複数の病院で検査した場合、測定方法が違うと結果を単純には比較できないこともあります。
また、CKは運動により、数値に大きな影響があらわれ、激しい運動ですと数日間影響が続くことがあります。
筋肉注射や打撲などでも高値になることがありますし、採血に時間がかかったりするとその影響があらわれることもあります。検査の前、数日は激しい運動を控えるほうがよいでしょう。
CK値が異常の場合、疑われる病気は?
CK-MMが高値の場合
- 骨格筋由来の疾患が疑われます。進行性筋ジストロフィー、多発性筋炎、筋萎縮症、皮膚筋炎、甲状腺機能低下症など
CK-BBが高値の場合
- 脳由来の疾患が疑われます。頭部外傷(急性期)、脳血栓、脳梗塞など
CK-MBが高値の場合
- 心筋由来の疾患が疑われます。心筋梗塞、狭心症、心筋炎など
CKが低くなる場合
- 甲状腺機能亢進症、膠原病(慢性関節リウマチや全身性エリテマトーデス)など
CKは前述したとおり、運動などの影響を受けやすいため、基準値をはずれている場合は、運動を控えて水分を多めにとり再検査を行います。
全体的にどの疾患も血液の異常よりも自覚症状があらわれる疾患が多いことから、CK値の異常だけでは見すごされることが多いです。
ただし皮膚筋炎や甲状腺機能低下症など、治療が必要な疾患が見つかることもあるので、異常を指摘された場合は早めの受診が望ましいでしょう。
CKの異常値を正常に戻すには
自覚症状がない場合は、再検査で正常値であれば潜在的な病気はないと考えられます。不安な場合は、自分のCK値を継続してチェックすることをおすすめします。
この場合、比較できるように同じ検査方法を採用していることが必要です、また、普段のんでいる薬やサプリメントでCK値が上がることもあるので、医師に相談してみましょう。
CK値は無症状ならば高値であってもすぐに治療が必要になる病気のことはあまりないので、強く不安を感じなくても大丈夫です。
まとめ
血液検査の項目でCKとは何をあらわすのでしょう?
CKとは何をあらわすのでしょう?
CKとアイソザイム
CKの基準値は検査方法により違います
CK値が異常の場合、疑われる病気は?
CKの異常値を正常に戻すには