咳や鼻水などの症状が無く、発熱のみがある場合などに病院を受診したときに受ける 血液 検査 の中に CRP という項目があります。肺炎や感染症が疑われるときに行われる一般的な検査ですが、CRPの値ではなにを知ることができるのでしょう?
発熱時の血液検査で調べるCRPとはなんでしょう
CRPとはなんでしょう?
CRPとはC反応性蛋白(Cリアクティブプロテイン)の英語略称です。からだの中で炎症が起きたり、細胞の組織が破壊されたときに血液の中にあらわれる蛋白質です。肺炎球菌がもっているC多糖体と反応して結びつくことから、この名前がつきました。
肝臓で生成され、もともとは血液中にごく微量しか含まれていませんが、からだが炎症などのダメージを受けると一気に増加する性質を持っているため、急性期炎症マーカーの代表として一般的に使われています。
体内で炎症が起こったとき、24時間以内に急激に増加し、2~3日後には減少します。他の検査と組み合わせ、病気の重症度やその経過、治療の効果などを判定するのに使われます。
CRPの正常値を知っておきましょう
CRPの基準値は定量法(免疫比濁法)で一般的には0.3mg/dl以下が基準値の範囲とされています。以下の5段階に分けて評価されます。
- 正常値・・・基準値0・3mg/dl以下
- 軽度の炎症・・・0.4~0.9mg/dl
- 中程度の炎症・・・1.0~2.0mg/dl
- 中程度異常の炎症・・・2.0~15.0mg/dl(10mg/dlを超えると入院対応となります。)
- 強度の炎症・・・15.0~20.0mg/dl
ただし、基礎疾患に関節リウマチや血管炎をもっていたり、透析を受けていたりすると感染症がなくても異常値がでることもありますので、普段のCRP値を把握しておくことも大切です。
CRPの値が上昇する原因はなんでしょう?
CRPが高くなる原因は大きくわけて3つあります。感染があるとき、炎症があるとき、組織が破壊されたときです。
感染がある場合
細菌感染がもっとも一般的です。ウイルスや真菌での感染の場合でも上昇することがありますが、軽度にとどまります。細菌感染の主なものとしては肺炎、脳炎、咽頭炎、腎盂腎炎、虫垂炎などです。
細菌感染が原因の病気はたくさんあり、ここに掲げた病名はごく一部です。考えられる細菌感染の疾患が多数あるため、CRP値の上昇だけではなんの病気かを特定することはできません。そのため、他の症状や検査と合わせて総合的に診断することになります。
炎症がある場合
感染以外で炎症がある場合にもCRP値が上昇します。その代表は膠原病です。自己免疫疾患・リウマチ性疾患・結合組織疾患を総称しています。ただし膠原病のなかでもシェーグレン症候群などではあまり上昇がみられません。
関節リウマチや血管炎などがある場合には、感染を起こしていなくてもCRPの値が上昇するケースがあります。感染がなく、原因不明のCRP高値の場合はこれらを考慮する必要があります。
組織が破壊された場合
組織がこわれ、壊死に陥った場合もCRP値が上昇することがあります。急性膵炎、心筋梗塞、悪性腫瘍(がん・悪性リンパ腫、肉腫)、外傷・骨折、手術や出産などです。
ここではCRPの上昇が高い場合に考えられる病名をあげましたが、CRPは重篤な病気でなくとも上昇します。
たとえば強いストレスを感じ胃腸障害を起こしたときや虫歯、アトピー性皮膚炎、インフルエンザではないごく一般的なカゼでも数値が高くなることがあります。
CRPの値が高値だからといって常に重症の疾患だと心配する必要はありません。必要に応じて尿検査や抹消血液検査、胸部レントゲン検査などを受け、総合的な診断を受けることが重要です。
まとめ
発熱時の血液検査で調べるcrpとはなんでしょう
CRPとはなんでしょう?
CRPの正常値を知っておきましょう
CRPの値が上昇する原因はなんでしょう?