「気管支喘息は元を断つことが大事です(前編)」では、気管支喘息のメカニズムや症状についてご紹介いたしましたが、後編では 気管支喘息 の治療法や日常生活において気を付けるべきポイントをご紹介いたします。
気管支喘息は元を断つことが大事です(後編)
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気管支喘息の治療
治療の眼目は気道収縮発作の緩解と慢性喘息のコントロールです。治療の上で発作の因となる気道過敏状態を、軽減することが重要であることはいうまでもありませんが、気道過敏の亢進因子を抑えるためにも、気道粘膜の炎症のコントロールが大事になります。
患者さんは、症状の増悪因子(抗原暴露、感染、気道刺激物、気候・気温の変化、心因)と、改善因子(増悪因子の除去・回避、薬物療法、減感作療法)に影響されるので、患者さん自身の心構えによっては、症状の出方に変化が生まれます。
具体的には、吸入ステロイド薬と長時間作用する気管支拡張薬の混合薬を使います。詳しくは、日本アレルギー学会が改定した「喘息予防管理ガイドライン2015」に載っていますので参照してみてください。
気管支喘息患者の生活管理
喘息発作の防止には常日頃からの生活管理が大事です。
気道収縮発作を誘因の回避
アレルゲン暴露、禁煙、汚染大気、精神的増悪因子。
気道の炎症誘発因子の回避
感染症などによる気道過敏性の亢進。
薬物療法による抑制
気道収縮を起こさせない気管拡張剤の使用。気道炎症を抑制する吸入ステロイド薬の定期的使用。気道炎症の抑制、気道過敏性をコントロールする抗アレルギー剤を使用、などが挙げられます。
このような薬を使用して、健常人と変わらない健康な生活が送れることと、正常に近い呼吸機能を維持することなどを目標にします。
特にここで注意を要するのがダニ抗原です。アレルギー性の気管支喘息の患者さんの多くが、ダニ抗原を含む室内塵の吸入による発作誘発が起こるので、これらの回避が大事になります。
ダニの温床である絨毯やカーペットよりも木製の床材、リノリュームが最適で、とにかくダニの蔓延を防ぎます。ダニは掃除機で死骸は取り除くことができても、生きているダニは取り除くことはできません。
しかしながら、そんなダニでも50度以上の熱で駆除できるので、60度の熱で処理できれば完璧なことはいうまでもありません。毛布や敷布、枕などをはじめ、ペットの飼育、ぬいぐるみなどにも注意を払うことが大事です。
喫煙はもちろん避けなければなりません。薬もアスピリンなどの解熱鎮痛薬で発作が起きることがありますので、市販薬についても注意が必要です。
気管支喘息の特効薬であるステロイド薬と聞くと、不安をお持ちになる方もいますが、正しい使い方をすれば心配はありません。適切な使用をするためにも、医師の指示に従うようにしたいですね。
まとめ
気管支喘息は元を断つことが大事です(後編)
気管支喘息の治療
気管支喘息患者の生活管理