生体に障害を及ぼす免疫反応がアレルギーです。生体は体外から侵入した異物に対して、抗体、感作リンパ球を作り、異物の再度の侵入に対して、その異物を取り込んで無害化することができます。これが、生体が持つ防衛機構の一つで免疫反応と呼ばれています。
抗体、感作リンパ球を作る異物を抗原といいますが、この抗原が厄介なもので、抗体(感作リンパ球)との結合による免疫反応が生体に障害を起こすのです。このことをアレルギー反応と呼び、抗原のことをアレルゲンといいます。
皆さんも、アレルギー反応によっておこる病気をご存知だと思いますが、アレルゲンと接触した結果、症状を起こす疾患を挙げると、例えば、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症、アナフィラキシーショック、急性蕁麻疹、アトピー性皮膚炎などがありますが、これらを総称して、アトピー性疾患と呼んでいます。
今回は、この中から 気管支喘息 を採り上げることにします。
気管支喘息は元を断つことが大事です(前編)
気管支喘息の全貌
気道の狭窄で起きる発作性の呼吸困難を総称して「気管支喘息」と呼んでいます。呼吸をする時に、気管支喘息特有の胸がぜいぜいいう状態を喘鳴といいますが、この症状が呼吸に伴っておきます。
気管支喘息は、気道が刺激に対して過敏になる人がかかりやすい病気で、アレルゲンや大気汚染物質、冷気よる気道刺激や、病原菌による気道感染、あるいは、運動負荷から起こる気道狭窄などで発作が起きるのです。
そして、刺激があって1時間以内の発作を即時反応、その後の場合を遅発反応と呼んでいます。
気管支喘息のメカニズム
アトピー素因がある場合にアレルゲンが吸入されると気道粘膜が過敏になり、収縮や腫脹が起こり、気道狭窄が見られます。特に喘息患者の場合は、ちょっとした刺激でも簡単に収縮が起こります。
発作の原因となる特異的刺激としては、アレルゲン、ウイルス感染、寒冷、粉塵、運動負荷などがあります。
そして、それらの刺激が反応性の亢進を起こし、腺分泌亢進→粘膜栓形成、血管拡張透過性亢進→粘膜の浮腫・腫脹、平滑筋収縮→気管支収縮などの変化が気道狭窄(閉塞性喚起障害)を起こします。そして、最終的に呼吸困難、気管支喘息の症状を見せるわけです。
気管支喘息の症状
気管支喘息の主な症状は喘鳴を伴う呼吸困難発作で、特に夜間に起こることが多く、呼気(吐く息)の時に辛く感じます。症状は季節の変化や天候の変わり目に出ることが多く、一日の中では夜間から明け方に出やすくなっています。
それに痰の切れが悪くなったり、咳が立て続けに出たりしますが、慢性化したものでない限り、適切な治療で症状は消失し、発作が治まってしまえば、まったく無症状となり平静な状態に戻ります。
気管支喘息の特徴は、このような発作が繰り返し起こることで、年に数回しか起こらない人もいれば、毎日起こす人もいます。
軽症の発作では喘鳴と重苦しい胸の感じだけで、呼吸困難は見当たりませんが、重症になると息苦しさで横になっていられなくなり、座って前かがみになる、いわゆる起坐呼吸法を採るようになります。
症状の重症度は横になれるか、会話が出来るか、動作に問題はないか、などを見極める他にチアノーゼや意識状態もポイントになります。
後編では、気管支ぜんそくの治療法や生活において気を付ける点をご紹介します。
まとめ
気管支喘息は元を断つことが大事です(前編)
気管支喘息の全貌
気管支喘息のメカニズム
気管支喘息の症状