気管支喘息は、古代ギリシア語ではアズーマと呼ばれ、古代ギリシア時代から「あえぐ」という呼吸困難を意味する言葉として用いられてきました。
空気の通り道の気管や気管支が急に詰まって、息苦しくなり呼吸のたびに、ゼーゼーという声が自然と出てしまいます。日本では戦後から患者は増加傾向にある、発作性の呼吸困難、喘鳴、咳を繰り返す疾患です。
気管支喘息の原因は、気管や気道に炎症がおこり、気道が収縮してしまうことです。症状が出ているにも関わらず、対応をせずにいると、症状は悪化の一途をたどります。少しづつ気道は収縮していき、治療を行うことも難しくなってきます。
では気管支喘息が難治化しないようにするために、具体的にどのような治療方法があるのでしょうか。今回は 気管支喘息 治療 の4つのポイントをお伝えします。
気管支喘息治療の4つのポイント
アレルゲンの発見と除去
気管支喘息の症状は、多様なアレルゲンによって発症します。室内のほこりやちり、動物の毛から衣類、食べ物のくずなどのハウスダストが例として挙げられます。さらに食べ物や薬もアレルゲンになります。気管支喘息は「アトピー型」と「非アトピー型」に分類されます。
どちらの型にしても、アレルゲンを特定することができれば、気管支喘息の原因を取り除くことができます。しかし完全にアレルゲンを取り除くことは難しいので、生活上で様々な対策をしていくことが重要です。
また気管支喘息には、精神的な要因も関係して心身症の側面もあります。生活環境を改善するさいは、心身のリラックスを図るために自立訓練を中心とした精神療法も行われています。
薬物治療
気管支喘息の薬物治療は、患者の重症度に応じて行われます。重症度は自覚症状と呼吸機能から決定されます。気管支喘息治療の目標は、副作用がない薬と量で症状をなくし、日常生活で呼吸機能が支障のないようにすることです。
現在は慢性の気道炎症を抑えるための、抗炎症作用の強く副作用の少ない吸入ステロイド薬を中心に治療はすすみます。即効性のある気管支拡張薬とは異なり、吸入ステロイド薬は少なくとも、1週間以上吸入しないと効果がありません。
発作がない時でも、予防として、吸入ステロイド薬を行うことが大切になります。気管支喘息は気道の疾患であり、気道に直接薬剤が到達する吸入療法が最も効率よく、全身的な副作用も少なくすみます。
しかし吸入ステロイド薬の全身性副作用は軽度ですが、その投与量は適度な量にコントロールすることは当然ながら必要です。
重度になった時の治療方法
症状が重度になり、慢性的な症状があったり呼吸機能が低下している時は、中~高用量の吸入ステロイド薬を使用します。さらに症状が悪化して喘息がコントロールできなくなり、気道狭窄になった場合には、発作寛解薬として気管支拡張薬の吸入薬が主に利用されます。
最近では、吸入ステロイド薬と気管支拡張薬の合剤も登場して、広く利用されています。
それでも呼吸困難が強くなり、横になれない時には救急外来を受診して、点滴や酸素注入などの処置を行います。それでも発作が治まらない場合には、入院も必要になります。
ステロイド薬とは?
ここまで何度も出てきたステロイド薬とはどのような薬なのでしょうか。ステロイド薬と聞いただけで不安を感じる方がいるかもしれません。しかし吸入ステロイド薬が作用するのは、気道のみであり、正しい知識で利用すれば危険度は低い薬です。
ステロイドとは体の中で生成されるホルモンの1種のことです。男性ホルモンや女性ホルモンに加えて、副腎皮質ホルモンなどが、代表的なステロイドホルモンです。ステロイドの役割は、アレルギー反応や炎症を抑えることです。
ステロイドは、症状や病気に応じて正しい知識で利用すれば治療に大きく貢献してくれる薬で、様々な病気の治療薬として利用されています。情報が溢れる今日ですが、間違ったステロイドのイメージに困惑せずに、正しい情報を持って病気や薬と向き合うことが大切です。
まとめ
気管支喘息治療の4つのポイント
アレルゲンの発見と除去
薬物治療
重度になった時の治療方法
ステロイド薬とは?