気管支喘息は、気管支が様々な刺激に対して敏感になる結果として発作性の呼吸困難や咳が生じる病気です。カゼのあとに咳だけがいつまでも残る、8週間以上咳が続いている、このような状態が確認された場合は、気管支喘息の可能性が疑われます。
気管支喘息の人の気道は、症状がないときでも炎症状態にあり、健康な人に比べて気道が狭くなって空気が通りにくくなっています。少しの刺激により、気管支喘息を取り囲む筋肉が縮小するため、空気の通り道がより狭くなる「気道閉塞」が起こりやすくなります。現代の生活環境の変化から、気管支喘息の患者は増加傾向にあります。
今回は 気管支喘息 の発症 原因 となる、気道の炎症とアレルゲンについてお伝えします。
気管支喘息の発症原因となる、気道の炎症とアレルゲン
気道の炎症
気管支喘息の原因は、はっきりと特定できるものではなく、様々な原因が複合的に絡まり発症するものだと考えられています。近年は特に、気道の炎症が原因ではないか、と主に考えられるようになってきました。
気管支喘息患者の気道の粘膜には、好酸球、Tリンパ球、肥満細胞を中心とした炎症細胞があります。そして、これらが集まることにより気道に炎症が起こります。その気道の炎症をきっかけとして、呼吸困難や喘息、咳などの症状が発症すると考えられています。
アトピー型
気管支喘息は「アトピー型」と「非アトピー型」に分類されています。アトピーとは、アレルギーを起こしやすい体質のことを指し、気管支喘息の中でも、特定のアレルゲンを引き金として発作が引き起こされるものを「アトピー型」と呼びます。
アレルゲンと接触すると、体内でlge抗体が生成され、l型アレルギーという炎症反応が起こります。アトピー型の気管支喘息においては、環境整備を行い、特定のアレルゲンの除去を行うことが大切です。誘引としては、ホコリ、カビ、花粉、動物の毛、ダニ、食品などが挙げらます。
非アトピー型
「アトピー型」と同じく、アレルギーの炎症によって発作が起こりますが、検査を行ってもlge抗体が発見できずアレルギー源が特定できないケースを「非アトピー型」と呼びます。
発作の誘引はすぐに特定することはできませんが、生活習慣を振り返り、日常生活を少しづつ改善することが大事になります。「非アトピー型」の誘引としては、タバコ、香水、ストレス、空気汚染などが挙げられます。
誘引アレルゲンは多様
「アトピー型」、「非アトピー型」いずれのパターンも、きっかけになるアレルゲンは多様にあります。主に室内でのほこりやちり、ダニやペットの毛、虫や植物などを総称してハウスダストといわれます。
特にダニによる気管支喘息を発症する人は多く、生きているダニ、死んでいるダニのいずれも発症誘引になります。さらに現代病の1つである花粉もアレルゲンの1つです。
その他には、食べ物が挙げられます。そば粉、小麦粉、卵、牛乳、チーズ、魚介類、野菜など多岐に渡りますので、まずは検査でどのアレルゲンが気管支喘息の原因になっているか調べることが大事です。
治療方法
気管支喘息は、慢性の気道炎症で起こるという考え方が主流になってからは、抗炎症作用が強く副作用の少ないステロイド薬が中心となっています。喘息治療においては、副作用がない薬と量により、喘息の症状をまずなくします。
その後、運動を含めた日常生活に支障がないよう呼吸機能を正常に保つことを心がけます。日常的に、吸入ステロイド薬を続け、発作予防を行いながら、急な発作に対しては気管支拡張薬で対応していくやり方が一般的です。
初期段階では、アレルゲンの原因を特定して、それを取り除いていくことが第1です。アレルゲンが特定できない場合も、日常生活の何かが原因となっている可能性が高いので、日常生活の改善を行っていくことが大切です。
まとめ
気管支喘息の発症原因となる、気道の炎症とアレルゲンとは?
気道の炎症
アトピー型
非アトピー型
誘引アレルゲンは多様
治療方法