喘息といえば、子どもが抱える病気のイメージがあるかと思いますが、近年では成人の喘息患者も増加傾向にあります。喘息を経験したことがある人は多いと思いますが、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と呼吸が苦しくなったり、激しく咳き込んだりするのは、辛い経験です。
かぜ薬を飲んでいるのに、咳がおさまらない、などの時は気管支喘息にかかっている可能性があります。
風邪とも異なる、 気管支喘息 の 症状 と発作が起きやすいタイミングについて今回はお伝えします。
気管支喘息の症状と、発作が起きやすいタイミング
現代で増加している大人の気管支喘息
戦後は成人の大人も子供も人口の1%前後だった、気管支喘息患者ですが、最近の調査において大人も子ども患者の数が倍増していることが明らかになっています。気管支喘息患者は増加傾向にあります。
なぜ気管支喘息の症状が発生するかというと、住宅環境によるダニやほこり、ハウスダスト、住宅建材に使われる化学物質などが要因として挙げられます。アレルギー反応により、気管支が炎症を起こしてしまうのです。
子どもの気管支喘息では、9割がアレルギーが原因であるのに対して、大人の場合は6割ほどがアレルギー反応で、4割はアレルギーとは無関係で発症します。アレルギー以外の要因では、風邪、大気汚染、ストレス、タバコなど主に日常生活に原因があるケースが多いようです。
気管支喘息の症状
気管支喘息は、気管支の炎症により肺への空気の吸入が困難になります。気管支喘息は突発的に起こるケースが多い病気です。かなりの呼吸困難におちいるケースもあれば、突然症状が全くなくなるケースもあります。
気管支のまわりにある平滑筋が痙攣をおこし収縮します。そして気管支の中の空気が通る道が狭くなってしまい、狭くなった気管支を空気が通るため、「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえてきます。
気管支が収縮して、酸素を含んだ空気を肺の中に運ぶことができず、肺に貯まった炭酸ガスを外に運び出すことができない状態になるため息苦しい状態になってしまいます。結果として肺気腫の状態になります。
発作は夜に起きやすい理由
気管支喘息の症状は、日が暮れてから、朝に日が昇るまでの夜間の時間帯に発症しやすい病気です。発作が夜に起こりやすい理由の1点目は、自律神経の問題です。
夜になると自律神経の副交感神経が優位な状況になります。副交感神経が優位の時は、気管支が収縮するため発作が起きるケースがあります。
夜に発作が起きやすい理由の2点目は、抗原の問題です。家のほこりやダニは、身の回りやじゅうたんや布団に存在しています。
日中は、ほこりやダニは空中に舞い上がっていますが、夜に寝静まるとほこりやダニは床に落下します。その落下したダニやほこりが夜に発作が起こりやすい原因の1つです。
夜に発作が起きやすい理由の3点目は、早朝の気温の低下です。気管支は気温が大きく下がると収縮して、発作が起きやすい状態になります。特に早朝の4時から日の出の時間帯にかけて、発作を起こす患者さんは多いので注意が必要です。
治療方法
気管支喘息では、まず症状の原因を特定してその原因を取り除くことが重要です。アレルギー検査を行い、原因となったアレルゲンを特定することができれば、そのアレルゲンを日常生活で除去します。
日常生活で気管支喘息を起こす原因を、アレルゲンに限らず、タバコや食事などから考えることも大切です。
また気管支喘息の症状は、主に吸入ステロイド薬により対応します。気管支喘息患者は、発作が起きていなくても、常に炎症状態にあり、この炎症状態をおさめるために吸入ステロイド薬を利用します。ステロイドを吸入することで気管支喘息収縮を和らげます。
一方で、発作が起こった時や起こりそうなときには、呼吸困難をすぐに解決するために発作治療薬を利用します。こうした予防薬と治療薬を分けて、気管支喘息の治療は進行します。
まとめ
気管支喘息の症状と発作が起きやすいタイミング
現在で増加している大人の気管支喘息
気管支喘息の症状
発作は夜に起こりやすい理由
治療方法