こむら返りは、筋肉が引きつり、けいれんを起こした状態をいいます。足が疲れていたり冷えていたりしたときに起こりやすく、筋肉の中の血液循環が悪くなることによって起こります。
今回は、 こむら返り を症状別にわけて考え、症状に応じた 治療 方法について解説します。
こむら返りの症状別にみる4つの治療方法
水中でこむら返りした場合の治療方法
長時間冷たい水につかっていたときは筋肉の血液の循環が悪くなっているため、こむら返りを起こしやすくなります。こむら返りを起こしそうなときは足の力をぬいて、すぐに水からあがるようにしましょう。
水中でこむら返りを起こしてしまったら水面に仰向けに浮いてください。その状態で足の親指を手でつかみ、ふくらはぎを伸ばすようにしてすねの方に引っ張ります。痛みが治まったら、ゆっくり水からあがります。
自分で足の親指を引っ張れない場合は、近くにいる人に両手で土踏まずを押してもらったり、足の指先を引っ張ってもらったりしましょう。足の筋肉をお湯で温めながらマッサージすることも効果的です。
運動や発汗したときに起きたこむら返りの治療方法
こむら返りは激しい運動をしたり普段は使わない筋肉に急に力を入れたりしたときにも起こります。また大量の汗をかいたり病気で体内の塩分バランスが崩れたりしてもこむら返りは起こります。
運動や発熱によって大量に汗をかいたときにはスポーツドリンクを飲んで水分だけでなく電解質を摂取することが大切です。普段から運動不足にならないようにストレッチ運動を行うことや準備運動を行ってから運動することでこむら返りを防ぐことができます。
激痛とともに爪の変色をともなうこむら返りの治療方法
片足に激痛がはしり、冷たく爪の色が変色を起こし始めた場合は緊急治療が必要なこむら返りです。急激に動脈が閉そくされ血管が詰まった先の血流が止まってしまったため変色が起きていると考えられます。
太い動脈が詰まってしまったら足を切断しなければならなくなることもあるため、救急車の要請が必要です。ただ、動脈が時間をかけて閉そくした場合はまわりに新しい血管ができている可能性があり、ある程度の酸素供給はされています。
ただ供給量はかなり少なく、そのまま運動すると酸素不足が起こり痛みで動くことができなくなります。しばらく休むと再び動けるようになることが多いですが、医療機関を受診し検査を受けたほうがいいでしょう。
慢性的なこむら返りの治療方法
慢性的なこむら返りは、閉そく性動脈硬化症の可能性があります。動脈硬化症は臓器の動脈に見られますが、四肢動脈でも起こり症状は慢性のこむら返りとしてあらわれます。閉そく性動脈硬化症は、高齢化や生活習慣の変化によって増えてきている病気です。
初期症状はしびれや冷感程度ですが、しだいに歩行するたびにこむら返りや足がつるようになり安静時でも指先に痛みを感じるようになります。50歳以上の男性に多くみられる病気です。
治療方法は保温と保護に気をつけながら歩く練習と薬の服用をします。薬の服用でも改善がみられない場合は、血管の手術を行います。手術治療はバイパス手術を行いますが術後は良好です。
最近では簡単な手術方法もあり、カテーテル拡張やステント挿入による治療もあります。動脈硬化症の治療は日々進化しています。日本でも血管再生の臨床研究は遺伝子治療や再生医療ともよばれ血管再生薬として実用化されています。
足に新たな血管を作る遺伝子を注射することで新たな血管を作ります。バイパス手術やカテーテル治療が受けられない場合に使える治療方法として注目されています。
しかし、がん細胞がある人や糖尿病性網膜症の人は病気に悪い血管も増えてしまうため血管再生薬による治療はできません。血管再生薬は再生医療・遺伝子治療としてさまざまな病気に対しての実用化にむけて期待されています。
まとめ
こむら返りの症状別にみる4つの治療方法
水中でこむら返りした場合の治療方法
運動や発汗したときに起きたこむら返りの治療方法
激痛とともに爪の変色をともなうこむら返りの治療方法
慢性的なこむら返りの治療方法