厚生労働省が発表した「国民健康・栄養調査」(平成26年度)によると日本の糖尿病患者数は316万6,000人に昇り、その数は増加の一途をたどっています。糖尿病と診断されるにあたって大きな基準となる、 空腹時 の 血糖値 についてと、血糖値を下げる方法について紹介します。
糖尿病になる前に!空腹時の血糖値を下げるには?
糖尿病と空腹時の血糖値について
そもそも空腹時の血糖値とは、血液の中に含まれる糖の量を示すもののことで、その基準値は60~109mg/dLとなります。これには糖を分解するインスリンを生成するすい臓の機能と密接に関係しています。
この数値は食事内容で左右されやすいため、検査を行う場合には前日の夕食後~絶食し、翌日の朝食前に測定検査を行います。空腹時の血糖値は加齢とともに上昇傾向にあり、60歳以上の男性は100mg/dL、女性は96mg/dLが平均となっています。
この空腹時の血糖値が110~125mg/dLで糖尿病予備軍と言われ、126mg/dLで糖尿病であることが疑われます。
糖尿病と疑われた場合は、ブドウ糖負荷試験と呼ばれる再検査を受ける必要があります。ブドウ糖を75g摂取した後の血糖値を測定し、200mg/dL以上で糖尿病であると確定されます。
しかし、糖尿病の初期段階では空腹時の血糖値が正常内である場合も考えられます。疲れやすかったり、めまいや空腹感が強いなどの自覚症状がある方は、血液検査でもうひとつの診断基準である、HbA1Cも検査してもらうようにしましょう。
血糖値を下げる有効な方法とは?
血糖値を下げるには、インスリンを生成するすい臓が正常に機能することが大事です。飲酒や禁煙をすることはもちろん、ストレスや不規則な生活もすい臓の働きを低下させる原因のひとつであると考えられています。
まずは日々の生活を見直すところから始めるようにしましょう。また、インスリンが働きやすくなるよう適度な運動を心がけるようにしましょう。そして、一番有効と言えるのは食生活の見直しです。どんな食生活を送れば糖尿病予防につながるのかを詳しく紹介します。
食生活を見直して血糖値を下げよう!
今まで、血糖値を下げるにはエネルギー制限をすることが一般的でした。しかし、エネルギー制限食は面倒なカロリー計算を行ったり、肉類や揚げ物が制限対象となったりと、ストレスのかかる内容が多くみられました。そこで、現在では糖質制限が主流となっています。
これは糖質の値であるGI値の高い食品を避け、タンパク質や脂質が中心の食事を摂取するといった、ストレスの少ない内容です。GI値の高い食品として主にあげられるのが、白米・麺類・パンと言った炭水化物や、いも類・カボチャ・とうもろこし・蓮根・ゴボウと言った野菜の一部、そして甘味やジュースなどです。
これらの代わりとして、GI値の低い玄米や肉・魚介・卵・大豆・乳製品・野菜と、副食中心の食生活に切り替えることが有効です。
特にその中でも、野菜であればキャベツ、玉ねぎ、ブロッコリー、きのこ、調味料ではオリーブオイル、酢、大豆製品である納豆、ミネラルを多く含む海藻類などは血糖値を下げる役割があるので積極的に取り入れると良いでしょう。
ただし高齢者の場合は、もともとの持病などの関係で服用している薬と食品の取り合わせに充分配慮する必要があります。
血糖値を下げるには有酸素運動も効果的
血糖値を下げるには、食後30分後~の有酸素運動も効果的であると言えます。有酸素運動を行うことで、血液中のブドウ糖がエネルギーとして消費され血糖値の改善に役立ちます。ジョギング・ウォーキングなど、ゆったりとした運動を30分以上行うと有効です。
高齢者の場合は、水中歩行など身体に負担の少ないものが良いでしょう。また、高血圧や心疾患などを引き起こすリスクもあるので、医師と相談の上運動量を調節するようにしましょう。
一旦糖尿病になってしまうと、完治は困難であり、生活を送る上でさまざまな制限をもうけられることになります。また、症状が進めば重篤な合併症を引き起こす可能性のある危険な病気でもあります。そうなる前に日々の生活のなかで予防に努めることが大事です。
まとめ
糖尿病になる前に!空腹時の血糖値を下げるには?
糖尿病と空腹時の血糖値について
血糖値を下げる有効な方法とは?
食生活を見直して血糖値を下げよう!
血糖値を下げるには有酸素運動も効果的