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脳梗塞のガイドライン~脳卒中治療ガイドライン2015年度版

sai

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noukousoku gaidorain

脳梗塞や脳出血のガイドラインである「脳卒中治療ガイドライン2015年度版」が先日発表され、広く使われ始めました。本項ではこの ガイドライン の中から特に 脳梗塞 に関して新たに追加・改訂されたポイントをいくつか御紹介します。

特筆すべきはrt-PA静注療法の治療可能時間がこれまでの発症後3時間以内から4.5時間以内に延長されたことです。


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脳梗塞のガイドライン~脳卒中治療ガイドライン2015年度版


- 目次 -

  • 脳卒中治療ガイドライン2015年度版
  • rt-PA静注療法の治療可能時間の延長
  • 非弁膜症性心房細動を伴う脳梗塞患者へのNOAC使用
  • 脳梗塞急性期の抗血小板薬2剤併用

脳卒中治療ガイドライン2015年度版

長らくわが国で広く使用されてきた脳梗塞を含めた脳卒中のガイドラインである「脳卒中治療ガイドライン2009年度版」が改訂され、先日「2015年度版」として発表されました(以下“ガイドライン”と略します)。

協和企画から出版されているこのガイドラインは、全337ページからなっており、第Ⅱ章脳梗塞・TIA(一過性脳虚血発作)の章だけでも54から136ページまであります。

ちなみに他の章は第Ⅰ章脳卒中一般、第Ⅲ章脳出血、第Ⅳ章くも膜下出血、第Ⅴ章無症候性脳血管障害、第Ⅵ章その他の血管障害、そして第Ⅶ章リハビリテーションから構成されています。

第Ⅱ章脳梗塞・TIAは大きく、1脳梗塞急性期、2TIAの急性期治療と再発予防、3脳梗塞急性期、の3つから構成されていますが、その全てを説明することはできませんので、ここでは2015年度版から改訂・追加された内容に限定して解説します。

ただし、ここには記載していない改訂・追加部分もありますので、詳細については実際にガイドラインを一読されることをおすすめします。


rt-PA静注療法の治療可能時間の延長

2015年度版ガイドラインで変更された内容の中で最もインパクトが大きいものの1つです。rt-PAは遺伝子組み換え組織プラスミノゲン・アクティベータ(アルテプラーゼ)という薬剤のことで、“静注”は静脈に注射することを意味します。

脳梗塞は脳細胞に酸素や栄養を供給している血管が血栓で詰まり、血流が途絶えてしまう病気ですが、rt-PAは血栓を溶解して血流を再開させる薬剤です。

これまでは脳梗塞発症後から3時間以内のみ使用可能とされていましたが、2015年度版からは脳梗塞発症後4.5時間以内と治療可能時間が延長されました。延長されたことでより多くの患者さんがrt-PA静注療法を受けることができるようになるかもしれません。

rt-PA静注療法に時間制限があるのは発症後早い時間帯でないと、効果が乏しくなり、副作用(一番重篤な副作用は脳出血です)だけが前面に出てしまうためです。

ただし、rt-PA静注療法は施行可能か否かについて厳密な基準が定められています(これも主として副作用を防ぐためです)ので、脳梗塞発症後4.5時間以内であっても行われない場合もあります。

また、脳梗塞発症後4.5時間以内であってもrt-PA静注療法開始が早ければ早いほど、その後の経過がよくなりますので、ガイドラインでは患者さんが来院された後、少しでも早く(遅くとも1時間以内に)rt-PA静注療法を開始することを勧めています。

したがって、脳梗塞を疑わせる症状が出現した場合は、“しばらく様子をみる”というのは絶対に避けるべきで、速やかに医療機関を受診する必要があります。脳梗塞治療は時間との戦いであることを覚えておいてください。


非弁膜症性心房細動を伴う脳梗塞患者へのNOAC使用

非弁膜症性心房細動(NVAF)は心房細動と呼ばれる不整脈の1つで、高齢になると患う人が増加します。心房細動を起こしている心臓には血栓ができやすく、その血栓が頭まで流れていって血管を閉塞してしまうと脳梗塞を生じます(このタイプの脳梗塞は心原性脳塞栓症とも呼ばれます)。

したがって、非弁膜症性心房細動を伴う脳梗塞あるいはTIAの患者さんは血を固まりにくくする薬剤(経口抗凝固薬と言います)を服用して、新たな血栓ができないようにする必要があります。

これまでは、ワルファリンという薬が血を固まりにくくする薬剤として広く使用されてきましたが、最近選択的トロンビン阻害薬やXa阻害薬という新しい薬剤(まとめてNOAC(非ビタミンK阻害経口抗凝固薬)と呼ばれています)が使用可能になりました。

ワルファリンと比較して脳出血などの重篤な出血合併症が少ないことから、ガイドラインではNVAFの人の脳梗塞・TIAの再発予防にはNOACによる治療をまず行うように勧めています。


脳梗塞急性期の抗血小板薬2剤併用

抗血症板薬はいわゆる“血液をサラサラにする薬”のことです。ガイドライン2015年度版から、発症早期の脳梗塞・TIAの治療法として異なる2種類の抗血症板薬併用が推奨項目に追加されました。

ただし上記の心原性脳塞栓症はこの適応ではありません。

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まとめ

脳梗塞のガイドライン~脳卒中治療ガイドライン2015年度版
脳卒中治療ガイドライン2015年度版
rt-PA静注療法の治療可能時間の延長
非弁膜症性心房細動を伴う脳梗塞患者へのNOAC使用
脳梗塞急性期の抗血小板薬2剤併用

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Filed Under: 脳の疾病, 脳梗塞 関連タグ:ガイドライン, 脳梗塞

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