脳梗塞 の 症状 には手足や顔面の麻痺、言語の障害、意識障害、視野障害、感覚障害などさまざまなものがあります。
多くは突然出現します。典型的な症状に運動麻痺があり、特に半身麻痺を生じた場合脳梗塞の可能性が高くなります。言語の症状もよくある症状です。
シンシナティプレホスピタル脳卒中スケールは顔面下垂、上肢の脱力、言語障害を調べるもので、脳梗塞など脳卒中の検査として有用で、しかも非常に簡便です。
脳梗塞の症状
脳梗塞
脳梗塞は脳(正確には脳の神経細胞)に酸素や栄養を供給している動脈が詰まってしまうために、脳の神経細胞が障害される病気です。脳卒中と言われている病気の中で最も多い病気であり、脳卒中の75%以上を占めています。
詰まった血管が栄養していた領域、すなわち障害される神経細胞の部位によって手足や顔面の麻痺、言語の障害、意識障害、視野障害(ものが二重に見えるなど)、さらには感覚障害など多岐にわたるさまざまな症状が出現します。
多彩な症状のうち、1つだけが出現する場合もありますし、複数の症状が重なって発症する場合もあります。
なお脳出血やくも膜下出血とは違って、基本的には頭痛はありません。脳梗塞の症状は突然出現することが多く、多くのケースではいつ起こったが比較的はっきりしています。
これは脳出血やくも膜下出血など他の脳卒中の病気でも同じです。例えば朝目が覚めてトイレに行こうとすると、右側の手足が動かしにくくて上手に歩くことができなかった、といったケースです。
運動麻痺と言語の症状
さまざまな症状が起こりうる脳梗塞ですが、もっとも典型的な症状は運動麻痺で、次に言語の症状が続きます。運動麻痺は上述したような同じ側の手足に出現する半身麻痺をきたした場合に特に脳梗塞疑いが強くなります。
ただし高齢者では元々足腰が弱っている、あるいはそもそも自分でほとんど歩かない方も多いので、手や腕の麻痺(箸が急に上手に使えなくなった、お茶碗を急にもてなくなった)ことで気づかれる場合も少なくありません。
また片足を引きずって歩いている、よくつまずくなど実際は足にも症状が出ているのに、ご自身では気づいていない、あるいは気にしていないケースもよくあります。この場合も“急に”歩き方がおかしくなっていると脳梗塞の可能性が高くなります。
言語の症状は大きく2つに分類されており、1つ目がろれつが回りにくくなる症状(構音障害(こうおんしょうがい)と言います)、もう1つは言語を脳で組み立てる、あるいは解析することができなくなる症状(失語と言います)です。
この場合言語を理解できなくなったり、言いたいことが言えなくなったりします。
シンシナティプレホスピタル脳卒中スケール
脳梗塞は発症後から短時間の間でないと使用することができない薬剤があるために、特に早期発見、早期治療が重要な病気です(詳しくは脳梗塞のガイドラインを参照してください)。
早期発見のために、ここではシンシナティプレホスピタル脳卒中スケール(Cincinnati Prehospital Stroke Scale, CPSS)をご紹介します。実際に救急隊や病院でも施行されており、しかもわずか数十秒で施行できる簡単なテストです。
これは顔面下垂、上肢の脱力、言語障害の3つをチェックするものです。顔面下垂は、笑ったり、歯を見せたりするように指示して検査します。
顔面の両側が同じように動けば正常、反対側と比べて動きが悪いと異常です。“大きく口を横に広げてイーっと言ってください”、“唇を突き出してウーと言ってください(タコさんチューの状態です)”などと指示すると伝わりやすいと思います。
左右差は唇の端(口角、こうかく)や鼻と唇の間の皺(鼻唇溝、びしんこう)が右と左で同じくらいかを見るとわかりやすいでしょう。
2つめの上肢の脱力はBarre(バレー)徴候と呼ばれるもので、両目を閉じた状態で、手の平を上にして両腕をまっすぐ前に出し、10秒くらいその姿勢を維持してもらいます。
両腕が同じように動くか、まったく動かないと正常、片側に腕が動かないか、あるいは反対側よりも下がっている場合は異常です。
言語障害は例えば“瑠璃(るり)も玻璃(はり)も照らせば光る”と言ってもらったときに、不明瞭でなければ正常です。不明瞭であったり、言葉が間違っていたり、話すことができないと異常です。
3項目の中で1つでも異常があれば、特に急に異常をきたした場合は早急に医療機関を受診することをお勧めします。ただしこれらの異常があるから脳梗塞とは限らないこと、逆にこれらの異常がなくても脳梗塞を起こしているケースもありうることに注意が必要です。
まとめ
脳梗塞の症状
脳梗塞
運動麻痺と言語の症状
シンシナティプレホスピタル脳卒中スケール