脳の出血性の病気は、脳出血とクモ膜下出血の2つが有名です。そのうち脳出血とは脳の中の血管が何らかの原因で出血したものを言います。脳出血は死に直結する事も多く、早期の対応が今後の病状を大きく左右します。
以前は脳梗塞と同じ位の割合で発症する人が多かったですが、医療の進歩などで発症を防ぐ事も多くなり、現在では脳梗塞の割合の方が多く占めています。
脳出血 の 症状 は頭痛や吐き気など一般的な症状はもちろんですが、出血の部位によって症状が変わってきます。どのような症状が出現するのかここでは書いていきたいと思います。
脳出血の症状にはどんなものがあるの?
ある日突然起こる脳卒中発作
脳出血の症状はほとんどの場合、突然起こります。身体の半分が痺れて力が入らず上手く動けない(運動麻痺)、ろれつが回らず上手く話せない(失語)というような症状を持って発症し、頭痛や嘔吐、意識障害を伴います。これらはまとめて「脳卒中発作」と言います。
これらの全ての症状は出血の程度によって軽度であったり重度であったり様々です。出血が酷い場合は痙攣を伴ったり、意識を失う場合もあります。
運動麻痺は片麻痺と言われ、身体の半分に出るのが特徴です。右の脳に出血を起こしたら左側に、左の脳で出血を起こしたら右側に出血部位とは反対側の手足に麻痺の症状が出現します。
出血の程度が軽い場合は少し痺れているだけと感じる人もいるかと思いますが、そのような症状が出た場合は早期に病院に行って受診するようにしましょう。
視野障害や感覚障害も
脳の中でも被殻や視床という部位は脳出血を起こしやすい部位で、脳出血の約7割~8割はここからの出血だと言われています。この部分で出血が起こると運動麻痺や頭痛などにくわえ、感覚障害や片側の視野障害なども起こってきます。
感覚障害とは、痛みやしびれが感じにくくなるものです。痛みやしびれを感じる神経は運動をつかさどる神経と同じ経路で脳に伝わります。脳出血を起こす事により運動麻痺が起こると、同じ部分の感覚も一緒に障害を受ける事になります。
視野障害とは、「同名性半盲」と言われ、両目の左側もしくは右側同じ側の視野を欠損するものを言います。視床部位の出血は高齢者の多くみられ、寝たきりや認知症の原因にもなっています。
めまいが主訴の小脳出血
小脳で出血が起こった場合、めまいや嘔吐を主な症状として発症します。これは小脳が平衡感覚や協調運動に関与しているのが関係しています。めまいはクルクルと目が回るような回転性のめまいが多いです。その為、麻痺や意識障害もないのに激しいめまいによって立ったり、歩いたりする事が出来なくなる事もあります。
また、小脳の出血の場合は必ず眼振が出現します。この眼振が原因で身体のバランスを取る事が難しくさせているのです。小脳出血の症状も程度によって様々ですが、軽度のものでも時間が経つにつれて意識障害が発症し、その後呼吸運動を障害していくため命に関わります。
少量でも重篤になる橋出血
脳の橋という部位は、脳幹の一部であり生命保持に不可欠な部分であるため出血が少量でも重篤になる場合が多い部位です。出血した当初から意識障害や呼吸障害が出現する事も多くあります。麻痺も出現しますが、半身麻痺ではなく、左右両方とも動かない四肢麻痺が起こります。
また、瞳孔が縮小するのも橋出血の特徴です。瞳孔とは瞳の黒い部分の真ん中を言いますが、これが2㎜以下になります。また、黒目の位置も正常な位置とは異なり左右の黒目の位置がバラバラだったりするので見るからに異常だと分かります。瞳孔が逆に5㎜以上開いている場合だと危篤状態になっている場合が多いので尚注意が必要です。
以前は橋出血を発症すると全て重症だと判断されていましたが、最近ではCTなどの検査で早期に発見される事も増えてきました。もし、頭痛やしびれなど身体の異変を少しでも感じたら早めに病院に行くようにいて下さい。
まとめ
脳出血の症状にはどんなものがあるの?
ある日突然起こる脳卒中発作
視野障害や感覚障害も
めまいが主訴の小脳出血
少量でも重篤になる橋出血