「止まらない咳と喉のイガイガの原因とは?(前編)」では、イガイガの種類や症状、またその原因についてお伝えいたしました。後編では、引き続き 喉 の イガイガ や 咳 の原因となる疾患をご紹介いたします。
止まらない咳と喉のイガイガの原因とは?(後編)
- 目次 -
多くの原因はタバコから「慢性閉塞性肺疾患」
長期的な喫煙歴がある方、排気ガスなどの人体に有毒なガスを吸い続けてきた場合、60歳以上に多いのが慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。気道が閉塞・狭窄することによって、動いたときに呼吸苦や息切れ・喉のイガイガ・膿性痰・長引く咳症状としてあらわれます。
肺で酸素と二酸化炭素を交換する、肺胞が破壊されるために起こる症状です。肺胞は、一度壊れると元に戻ることはありません。多くは喫煙者ですが、喫煙される方といた吸わない方が発症することもあります。病気の進行を抑える治療が必要になってきます。
長期的な咳と喉のイガイガが続く「副鼻腔炎気管支症候群」
鼻(上気道)・気管支(下気道)の炎症を慢性的に繰り返す病気を、副鼻腔炎気管支症候群と呼びます。副鼻腔炎の症状が、緑色~黄色の鼻汁・鼻閉感・頭重感・鼻水が喉に落ちるために喉がイガイガ、咳がでます。
気管支にも炎症が起きるために緑色~黄色の痰・咳・微熱がでます。咳は痰が絡んだ湿っぽい咳が特徴です。この病気の診断基準は、副鼻腔炎気管支症状がおおよそ2か月以上です。急性期にきちんと治療をし、風邪かなと思ったらしっかりと治しておくことが大切です。
近年急増!?「咽喉頭異常感症」
喉のイガイガ・喉が詰まった感覚・圧迫感・喉が焼けるようなヒリヒリとした感覚に悩まされている方が増えてきているようです。
ご紹介してきた病気などの確定診断がつく前などに使われることもあるようですが、ストレスや心因性によってこのような症状が起きていることもあるのです。喉の違和感から、しきりに咳払いをしたくなるのが特徴です。
「原因」を特定し、解決することで服薬しなくても改善したケースもあるようです。
咳込みと喉のイガイガ「逆流性食道炎」
食道を胃酸が逆流して喉や気管支を刺激して咳が出ることや、粘膜を通じて神経を刺激して咳がでるともいわれています。むせかえるような咳が特徴です。胃酸が逆流することによって喉が荒れてイガイガ感を感じることもあります。
高齢者になると、逆流性食道炎になる方も多いです。この場合の喉のイガイガ・咳は、逆流性食道炎の治療によって改善されるケースもあります。
ほかの原因で喉のイガイガや咳症状がでることも
喉のイガイガと咳の症状だけでも多くの病気が存在します。忘れてならないのが、感染症・腫瘍・服薬による影響です。薬の飲み合わせについては、医師・薬剤師ともにチェック・医師による定期的な血液検査で経過をみていますのでほとんど問題はないと思います。
高齢者に多い特定の薬の効き過ぎなどがなければ問題視する必要はあまりないでしょう。
甲状腺疾患・扁桃腺炎・悪性腫瘍・さまざまなアレルギー疾患によっても、咳や喉のイガイガがでます。気になる症状があったら、まずは耳鼻咽喉科に受診し、原因を見つけてもらうことが最善な方法ではないでしょうか。
まとめ
止まらない咳と喉のイガイガの原因とは?(後編)
多くの原因はタバコから「慢性閉塞性肺疾患」
長期的な咳と喉のイガイガが続く「副鼻腔炎気管支症候群」
近年急増!?「咽喉頭異常感症」
咳込みと喉のイガイガ「逆流性食道炎」