咳 が 長引く と、高齢者の方でも若い方でも「風邪をこじらせているのかな?」と考えます。実際にまだ若い方の場合は、ただ単に風邪をこじらせただけの可能性もあります。しかし高齢者の方で咳が長引く場合は、安易に風邪だと判断するのは少し危険かもしれません。
ここでは上記のような咳が長引く高齢者の方に考えられる3つの可能性について、「咳のタイプ別」にご紹介いたします。
咳が長引く高齢者、ただの風邪じゃない?危険な3つの可能性
咳が長引く…具体的にどれくらいの期間を言うの?
咳が長引くと一言に言っても、個人的に「長引いている気がする」というだけではわからない部分もたくさんあります。そこで具体的に「これだけの期間、咳が続く場合は、咳が長引いていると判断しても良いですよ」という基準について、ご紹介をいたします。
一般的な風邪で咳が出る場合、約3週間前後で治まるとされています。しかしこれが3週間以上も続く場合は「咳が長引いている」と判断しても良いでしょう。
ちなみにちょっとした豆知識ではありますが、咳が長引いている期間によってそれぞれ名称が付けられています。急性咳(きゅうせいがいそう/3週間未満)、遷延性咳嗽(せんえんせいがいそう/3~8週間)、慢性咳嗽(8週間以上)
まず、自分の咳がどれくらい長引いているかを過去にさかのぼって思い出してみていただければと思います。それがもし3週間以上前から続いているのであれば咳が長引いていると判断して良いでしょう。
たんが絡む咳が、長引く場合は?
ゴホンゴホンというたんが絡む咳が長引く場合は、慢性気管支炎の可能性があります。ゴホンゴホンというたんが絡む咳はいわゆる風邪による咳で、特に風邪の後半にかけて、このようなゴホンゴホンという咳が出る場合があります。
鼻やのどの粘膜から侵入してきたウイルスをやっつけた死がいが、たんとなってノドに引っ付くのですが、それを体の外に出すために起こる咳がこのタイプです。つまり、たんが体の外にすべて出てしまえば咳は次第に治まっていくのが通常の流れとなります。
それなのに、いつまでもずっとゴホンゴホンという咳が続く…これは、高齢者の方のノドの粘膜は若い方と比較すると弱ってしまっていて、たんがなかなか外に出ていかないために起こる症状です。いわゆる「たん切れが悪い」と呼ばれる症状です。そのため咳が長引くのですが、咳が長引いた結果、気管が炎症を起こし慢性的な気管支炎になってしまっているという状態です。
ゼーゼーした咳が長引く場合は?
ゼーゼーした咳が長引く場合は喘息になっている可能性があります。喘息というのは気管が何らかの理由によって狭くなってしまって、咳が出る状態のことをいいます。よく小さい子供がなる喘息を「小児喘息」と呼んだりしますが、高齢者の方でも、この喘息というのは発症する恐れがあります。
特に気を付けたいのは喘息発作です。これはただ単に咳が長引くだけでなく、短時間の間に何度も何度も激しい咳を繰り返すことになり、場合によっては窒息につながる可能性もある怖い症状です。それに加えて、咳というのは大きく体力を消耗する上に、体に物理的な負担もかけてしまいます。たとえばろっ骨が折れるといった骨折につながる事もあり得るのです。
ゼーゼーした咳が長引く場合は、ぜひ専門の病院を受診していただければと思います。
ケンケンした乾いた咳が長引く場合は?
ケンケンした乾いた咳は、通常は風邪のひき始めに起こります。ウイルスを体外へ追い出そうとする体の反応からおこる咳の状態です。ですので、こういった乾いた咳はすぐに治まるか、あるいはゴホンゴホンといったタンが絡む咳へと変わっていきます。
このように普通ならすぐに治まるか変化していくはずのケンケンした乾いた咳が長引く場合…これはアレルギー性の咳が考えられます。わかりやすい事例の一つは花粉症です。花粉に反応して乾いた咳が出るのですが、人によっては花粉以外に反応して咳が出ることもあります。猫の毛やハウスダストといったものでも、その人によってはアレルギー反応で咳が出てしまう場合があるのです。
こういったケンケンした乾いた咳が長引くと、高齢者の場合は体力を消耗しやすく、骨粗鬆症の方の場合は骨折の原因となる可能性もあります。また、のどや鼻の粘膜が弱くなりがちな高齢者の方の場合、乾いた咳が長引くことが別の病気の原因となってしまうこともあります。ただの咳だと軽く考えず、病院で診ていただくのがオススメです。
まとめ
咳が長引く高齢者、ただの風邪じゃない?危険な3つの可能性
たんが絡む咳が、長引く場合は?
ゼーゼーした咳が長引く場合は?
ケンケンした乾いた咳が長引く場合は?