「咳が止まらないときに考えるべきこわい病気(前編)」では、咳が止まらない理由として考えられる肺がんやCOPDについてご説明致しました。
後編では、 咳が止まらない もう一つの理由である肺結核についてご説明致します。以前完治した方も再び結核菌が活動をはじめた可能性があります。
咳が止まらないときに考えるべきこわい病気(後編)
結核(肺結核)
別項でも詳記していますが、結核は現在の日本でも決してめずらしい病気ではありません。止まらない咳がある人では必ず考慮する必要があります。
特に結核の既往がある高齢者はたとえ以前に“完治した”と説明され、しかもその後“数十年間の間症状がなくても”、再び結核菌が体の中で活動している場合があります。
またよく知られているように結核は人から人にうつる病気です(空気感染)。同居している家族に結核患者がいる(いた)場合は注意が必要です。さらに老人保健施設での介護職の方など結核に罹患している可能性が比較的高い集団のそばで仕事をしている方も気をつけましょう。
逆に他者にうつす感染力がある結核患者は専門施設での入院が必要になります。
その他
上記の疾患に比較すると頻度は少ないですが、間質性肺炎(いわゆる“肺炎”の大部分は細菌性肺炎であり、間質性肺炎とは異なります)も咳が止まらずに持続し、重症化することもある専門的な治療を必要とする病気です。
その他に薬剤性咳嗽(薬剤が原因で咳がでる場合があります。高血圧に対して使用されるACE阻害薬(エー・シー・イーそがいやく)が有名です)や胃食道逆流症(GERD(ガード)。消化器疾患です)、後鼻漏症候群(こうびろうしょうこうぐん。耳鼻科の病気です)でも咳が止まらずに長引くことがありますが、これらはさほどこわい病気ではありません。
まとめ
咳が止まらないときに考えるべきこわい病気(後編)
結核(肺結核)
その他