介護保険は65歳以上の方が給付を受けられる事になっていますが、 脊髄小脳変性症 に関して言えば、厚生労働省が指定する特定疾病の為、第2号被保険者である40歳以上の方でも認定を受けると介護保険から保険給付を受ける事が可能です。医療費助成もあります。
脊髄小脳変性症に関して
脊髄小脳変性症とは
脊髄小脳変性症は脊髄や小脳が変性する疾患です。大きく小脳の変性疾患と考えて頂くと良いですが、進行すると脳幹にも影響が出る事もあります。
運動失調症状を呈する神経変性疾患で、運動失調症状の原因が一定の条件に当てはまらないものを総称して脊髄小脳変性症と呼んでいます。この脊髄小脳変性症から除外される一定の条件ですが、薬物依存・腫瘍・栄養失調・炎症・血管障害等が挙げられます。
1つの病気ではなく総称の為、型が多数にあり30を超えています。脊髄小脳変性症の発症原因は、遺伝性のものと非遺伝性のものがあります。
遺伝性の脊髄小脳変性症でも、両親に症状がない常染色体劣性遺伝の場合があります。この場合は両親に症状が無くても、子供に症状が現れます。発症した子供に兄弟姉妹がいる場合は、兄弟姉妹にも遺伝性の脊髄小脳変性症が出ます。
脊髄小脳変性症の発症時期は、多くは中年、或いはそれ以降に発症しますが、遺伝性や型によっては幼児期でも発症します。
食べ物や生活習慣などとの発症の関連性は発見されておらず、感染する疾患ではありません。未だ完全には解明されていない病気で、日本国内だけで数万人の患者がいます。
脊髄小脳変性症の症状
脊髄小脳変性症を患うと起こる症状ですが、小脳の深部感覚を検知する機能が働かず平衡感覚が障害される為、姿勢を真っ直ぐに保てなくなります。具体的には姿勢を起こす時や歩く時にフラフラする、或いは躓きやすくなる等です。日常生活で非常に困る症状です。
病状が進行し、変性が脊髄・脳幹にまで及ぶとこれ以外にも振戦・不随意運動等のパーキンソン病に似た症状も現れます。体に力を入れていないにも関わらず手足が震える、顔等の筋肉がピクピクと引き攣る様な状態です。
ここまで進行すると掴んでいる物を落としたり、食事の時に食べこぼしたりします。明瞭な発語も難しくなります。
脊髄小脳変性症の症状は、緩徐ではあるものの確実に進行する不可逆性です。原因疾患によっては、最終的には寝たきりになり、死に至ります。数年から数十年単位の時間をかけて進行します。
病状の進行を遅らせる事は出来ても、完治する事は出来ません。この為、発症後直ぐに歩行が困難になる、言葉を発する事が出来なくなるというような事はありませんが、進行に伴い確実に障害される度合いが増します。症状の進行の早さには個人差が見られ、型によっても違いがあります。
脊髄小脳変性症になった後にすべき事
脊髄小脳変性症になった後にすべき事で、症状への対処に関しては「定期的に医師の診察を受け、自分の症状に応じた薬の投与を受ける事」と、「理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリテーションの専門家からリハビリテーションを受ける事」です。
この2つは予後における生活の質を大きく左右する大事な事です。理由は症状の進行を抑えて、身体機能を維持、或いは低下をより緩徐にする為には必要不可欠だからです。
特にリハビリテーションに関しては、2次的な病状を防ぐ意味合いも兼ねており、非常に重要です。これは運動失調症状がある為に体を動かさなくなる事による、生活不活発病等の予防にも繋がっているという事で、生活不活発病は多臓器の機能低下を呈し沈下性肺炎になりやすい環境という弊害があります。陥り得る最悪の事態は死です。
金銭面では、生活を維持出来る額面の不労所得がある場合は別ですが、勤労者の場合は、進行に伴って次第に働けなくなるので対策が必要です。仮に不労所得で生活の維持が可能でも、医療費の助成と40歳以上の場合は要介護認定を受け、保険給付を受ける事で金銭的に受ける影響を減らすことが出来ます。
脊髄小脳変性症のリハビリテーション
脊髄小脳変性症のリハビリテーションは姿勢を起こす、若しくは保つ訓練・体に重りを付けて感覚を養う訓練・バランスを崩しやすい姿勢からの重心移動をする訓練・明瞭な発声をしやすい姿勢と発声の仕方等の訓練を行います。
まとめ
脊髄小脳変性症に関して
脊髄小脳変性症とは
脊髄小脳変性症の症状
脊髄小脳変性症になった後にすべき事
脊髄小脳変性症のリハビリテーション