脊髄小脳変性症 は難病のひとつとして知られていますが、この病気を治す方法はあるのでしょうか?また、 治る 可能性はあるのでしょうか?脊髄小脳変性症がどのような病気なのかということや、取り巻く現状なども踏まえつつご紹介していきます。
脊髄小脳変性症って治るの?
脊髄小脳変性症ってどんな病気?
脊髄小脳変性症が治るかどうかを考える前に、まずは脊髄小脳変性症とはどのような病気なのかを知っておく必要があります。まずは簡単にご紹介しましょう。
脊髄小脳変性症とは、小脳や脊髄の神経細胞が破壊されることによって運動失調をきたしてしまう神経疾患の総称であり、特定の病気そのものを指す病名ではありません。
そのため、脊髄小脳変性症には多くのタイプがあり、その原因や、原因ではないかと考えられるものも多岐にわたっています。
脊髄小脳変性症の症状
脊髄小脳変性症とは、同じような運動失調をきたす病気をグループ分けした概念の総称であり、その症状にこそ共通点があります。
主な症状としては、小脳失調障害と延髄機能障害による運動失調、自律神経障害による症状、不随意運動の症状があります。
小脳失調障害による運動失調には、歩行困難、手足が自由に動かせない、呂律が回らない、発声ができない、体を動かしたときに眼球が細かく揺れる、姿勢を保てない、といった症状があります。
延髄機能障害による運動失調には、パーキンソン症候群である振戦や筋固縮といった症状があります。
自律神経障害には、起立性低血圧、睡眠時無呼吸、発汗障害、失禁といったものがあります。
不随意運動には、非常にすばやい動きをするミオクローヌというもの、踊っているような動きの舞踏運動、筋肉が不随意に収縮を続けることでねじれやゆがみを生じて動かせなくなるジストニア、といった症状があります。
脊髄小脳変性症の原因は?
脊髄小脳変性症にはさまざまな病態があるように、その原因もさまざまであり、まだ解明されていないものも多くあります。
脊髄小脳変性症の約3割は遺伝性の原因によるものであり、その多くはどの染色体に異常があるのかというところまで解明されています。
その他については孤発性脊髄小脳変性症と呼ばれており、皮質性小脳変性症や多系統萎縮症といったものに分類されます。
ただし、これらはさまざまな共通項によって分類されているだけであり、詳しい原因まで解明されているわけではありません。現在は非遺伝性として分類されていますが、今後遺伝的な要因が解明されて遺伝的なものに加わっていく可能性もあります。
脊髄小脳変性症は治るのか
脊髄小脳変性症に対して、運動失調や自律神経障害などそれぞれの症状に効果のある薬物療法やその他の治療法などが発見されており、ある程度症状を緩和したり遅らせたりする効果は期待できます。ただ、このような治療を行っても、ゆっくりと長い期間をかけて症状は進行してしまいます。
現代の医学では、脊髄小脳変性症への根本的な治療法は確立されておらず、今のところ完治することが難しい病気と言えます。
ただしごく少数ではありますが、分類のひとつであるビタミンE単独欠乏失調症については、根本的な治療法が確立しており、早期に治療を行うことにより完治する可能性があります。
今後の可能性は?
脊髄小脳変性症の原因と治療法については研究が継続されていますので、将来には根本的な治療法がみつかるかもしれません。特に、遺伝子治療やISP細胞など最新医療技術の開発によって、脊髄小脳変性症や他の難病も治る病気になることが期待されます。
自分から採った細胞を基に神経細胞を培養し、それを移植することによって破壊された神経細胞が甦る、そんな日も遠くない将来に来るのかもしれません。
まとめ
脊髄小脳変性症って治るの?
脊髄小脳変性症ってどんな病気?
脊髄小脳変性症の症状
脊髄小脳変性症の原因は?
脊髄小脳変性症は治るのか
今後の可能性は?