日本人の4人に1人が抱えているといわれている疾患といえば脂肪肝です。生活習慣病のリスクを高め、肝臓ガンや肝硬変の原因にもなるといわれています。肝臓は、「沈黙の臓器」といわれるように肝臓の疾患は異変に気づきにくく、気づいたときには、手遅れの状態になりがちです。
今回はそんな脂肪肝についてや 脂肪肝 の 改善 方法ついて説明します。
脂肪肝の改善と治療方法について(前編)
脂肪肝とは?~肝臓がフォアグラ状に?!脂肪肝という病~
脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が溜まり蓄積してしまうことで起こる疾患のことです。わかりやすくいえば、肝臓が脂肪によって膨張し、フォアグラ状態になることをいいます。
肝臓は、摂取したアミノ酸や脂質、アルコール・たんぱく質といった物質を代謝し、体内に吸収しやすい栄養素に分解する役割をもっています。
体内に取り込まれたエネルギーをうまく摂取し、消費するバランスがとれていれば何の問題もないのですが、このバランスが崩れてしまうと、代謝と吸収がうまくできない状態になります。
その結果、中性脂肪が肝臓に溜まり続けてしまい、脂肪肝になってしまうのです。この脂肪肝の状態が続くと、肝硬変、肝臓ガンなどを発症し最悪の場合、肝移植が必要になったり、死に至ることもあります。
脂肪肝の最大の原因として、肝臓の脂肪酸の燃焼を悪くし、中性脂肪の蓄積を促進させる肥満や、運動不足、暴飲暴食があげられます。
また、極端な糖質制限やカロリー制限によるダイエットで引き起こされる低栄養性脂肪肝といわれる脂肪肝も存在し、女性やお酒を飲まない人でも起こる脂肪肝として認識されるようになりました。
発見されにくいNASH~極端なダイエットや糖質・脂質過多で起こる脂肪肝
脂肪肝には、二つの種類があります。一つはお酒の飲みすぎによって起こるアルコール性脂肪肝です。
二つ目は今一番問題といわれている非アルコール性脂肪肝(NAFLD)です。進行すると、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を引き起こし、数十年後には肝硬変や肝臓ガンを発症するといわれています。
原因として、極端な糖質制限やカロリー制限をしたダイエットあるいは、糖質や脂質の多い食生活によって起こります。アルコール性脂肪肝とは違い、自覚症状がないので人間ドックなどの精密検査で初めてわかったということが多いそうです。
糖質や脂質過多によって起こる脂肪肝は、肝臓に余分な中性脂肪がたまるほど糖質と脂質を摂りすぎることでおこります。
次に、極端なカロリー制限や糖質制限によって起こる低栄養性脂肪肝ですが、肝臓では脂肪を中性脂肪に変える役割を持っています。
ある程度の中性脂肪は、私たちが生きていくうえで必要なものなので、肝臓から血液中へ中性脂肪が運ばれていくのですが、脂肪は水に溶けにくいのでたんぱく質と合成する必要があります。たんぱく質と結びついた脂肪は、リポたんぱくと呼ばれる物質になり、血液に取り込まれます。
しかし、極端なカロリー制限によってたんぱく質が不足するとリポたんぱくに変化できず、中性脂肪が肝臓に溜まったままの状態になってしまいます。
また、糖質をまったく摂らないような糖質制限ダイエットを行うと、体内の筋肉に含まれるたんぱく質で糖質を補いエネルギーにしようとします。結果、極端なカロリー制限と同様にたんぱく質不足が起こって脂肪肝が起こるといわれています。
即効性のある「糖質制限ダイエット」が流行っている昨今、糖質=太りやすい、身体に悪いという一面性のみで食事制限を行うのはとても危険なことがわかります。
脂肪肝は、こういった脂肪・糖質過多あるいは、極端な不足による生活のバランス不全によって起こる現代病といえるでしょう。
まとめ
脂肪肝の改善と治療方法について(前編)
脂肪肝とは?~肝臓がフォアグラ状に?!脂肪肝という病~
発見されにくいNASH~極端なダイエットや糖質・脂質過多で起こる脂肪肝