心筋梗塞 の 治療 は4つの段階に分けて行われます。まず1つ目は胸痛や呼吸困難など症状に対する治療です。その次に行うのは詰まった冠動脈を再び開通させる治療で、再かん流療法と呼ばれます。3つ目は、心筋梗塞によって起こった不整脈や心不全など合併症に対する治療です。そして最後にリハビリと繋がっていきます。
ここではこれらの治療方法について1つずつ順番に説明していきたいと思います。
心筋梗塞の治療方法とは
まず苦痛を第一に取り除きます!
心筋梗塞は激しい胸痛に襲われる事が多くあります。この胸痛に対して有効なのが「ニトログリセリン」という薬です。胸痛の強い人に対しては、この薬を舌下錠で与えます。苦痛が強く薬を口に入れるのが困難な人の場合は注射で投与する事もあります。
また、胸痛の他にも呼吸困難や吐き気などの症状に対しては、酸素投与を行ったり、吐き気を抑えたり、血圧を上げる作用のあるアトロピンという薬を注射します。また、食事は心筋梗塞が発症して24時間以内は原則禁止となります。
発症して6時間以内がゴールデンタイム
心筋梗塞と診断されたら、上で述べた治療を行うのと並行して「再かん流療法」を行います。再かん流療法とは、心筋梗塞によって詰まってしまった血管を広げたり、血栓を溶かす事によって再び血流を開通させる治療のことです。
心筋梗塞を発症して6時間以内であれば、この再かん流療法は著しい効果を示すと言われています。その為、発症してから6時間経過するまでの時間はゴールデンタイムと呼ばれています。
再かん流療法には、詰まった血管の血栓を溶かす「血栓溶解療法」や血管内にバルーンを入れて拡張する方法、ステントを留置する方法があります。血管溶解療法は出血性の合併症の問題もあるため日本ではバルーン拡張やステント留置での治療法が主流となっているようです。
心筋梗塞の治療と同じく重要な合併症の治療
再かん流療法の次は合併症の治療に移ります。心筋梗塞では、不整脈や心不全などの合併症を併発する人も多く、それに対しても治療が必要となってきます。共に薬剤を点滴で投与し治療していくことが第一になります。
心不全に対しては、程度によって呼吸困難や動悸、息切れなど症状が様々なので、その程度により安静や酸素投与などを行っていきます。
心筋梗塞の治療が無事終わると一安心ですが、合併症によっても命を落とす危険性は十分にあるためこれらの治療は非常に重要です。
少しずつ身体を慣らしていきます
症状が安定してきたら少しずつ日常の生活に戻るため身体を慣らしていく必要があります。ただしいきなりの激しい動きは心臓に負担を掛けるので、ベッドから起き上がる所から順番に医師の指示のもとゆっくりリハビリを行っていきます。その後、ゆっくり座ったり立ちあがったりと運動量を増やしていきます。
基本的にこのようなリハビリを行う前後には心電図をとり、不整脈の増加や胸痛、血圧の低下などの症状がないか確認します。日常の家事や仕事なども自分が思っている以上に心臓に負担を掛けている場合があるので、退院後の生活についても医師の指示に従うようにして下さい。
退院後も油断は禁物
症状が安定し、退院しても油断は禁物です。心筋梗塞は一旦は良くなりましたが、再発する可能性も大いにあります。不整脈や心不全の薬がある場合は継続して飲むようにし、きちんと定期的に病院に受診するようにして下さい。
少しでも胸に異変を感じたら早めに受診することが異常の早期発見・早期治療に繋がります。また、不規則な日常生活を送っていた人は退院後、生活習慣を見直し規則正しい生活を送るように心掛けましょう。これらを意識して行う事が心筋梗塞の再発予防になります。
まとめ
心筋梗塞の治療方法とは
まず苦痛を第一に取り除きます!
発症して6時間以内がゴールデンタイム
心筋梗塞の治療と同じく重要な合併症の治療
少しずつ身体を慣らしていきます
退院後も油断は禁物