糖尿病はかなり血糖値が高くならないと症状が出ません。つまり自覚症状の有無はほぼ参考にはなりません。したがって 糖尿病 や血糖値の状態を チェック するには、実際に血糖値を測定する必要があります。
医療機関や健診などで実際に採血検査を受ける方法と、実際に糖尿病の患者さんが行っている血糖自己測定という方法とがあります。状況によっては自分でチェックするよりも早急に医療機関を受診した方がよい場合もあるので注意が必要です。
血糖値や糖尿病が気になるときは血糖値のチェックが必要です
健診で異常を指摘された、あるいは糖尿病治療を中断している場合
糖尿病はかなり血糖値が高くならないと症状が出ない病気です。したがって他の病気のように症状の有無でチェックすることはやめておいた方が無難だと思います。糖尿病や血糖値の状態は、実際に血糖値を測定しないとわからないのです。
なぜ血糖値や糖尿病の症状をチェックしたいのかは、人によって様々な理由があると思います。要注意なのは、“健診で糖尿病の疑いがあるから、医療機関を受診してくださいと言われた”、“以前に糖尿病と言われて薬をもらっていたが、面倒でやめてしまった”という人たちです。
こういった場合は早めに医療機関を受診されることをお勧めします。糖尿病は放置していても通常は治ることはありませんし、年齢が進むにつれて悪化することが多いからです。現在の糖尿病の状態を正確に診断してもらって、適切な治療や指導を受けましょう。
なお、糖尿病の症状がある(糖尿病の症状については別項を参照してください)人も、早めに医療機関で診てもらうほうがよいでしょう。
何となく糖尿病が心配な場合
“気づかないうちに糖尿病になっていないか心配”、“血縁者に糖尿病の人がいる”といった理由で血糖値が気になる人も多いかと思います。こういった場合も採血検査をして実際に血糖値を測定するのが一番です。
高血圧や腰痛などでかかりつけの先生がいるのであれば、その先生に相談するのがおすすめです。血糖値はもちろん、場合によってはHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)検査という過去1~2ヶ月の血糖値の状態を反映する検査もやってもらえるでしょう。
かかりつけの先生で血糖値やHbA1cをチェックしてもらう最大のメリットは、検査結果の解釈と、対応(薬剤が必要なのか、糖尿病専門医への受診がいるのか、次回はいつ採血検査を受けたらよいか、など)を教えてもらえることだと思います。
健診
かかりつけの先生がいない方は健診を受けると採血検査をしてもらうことができます。必ず検査項目には採血での血糖値の検査が含まれていますし、同時にHbA1c検査も測定してくれる場合もあります。
健診の最大のメリットは無料で受けることができることです。デメリットとしては日時が決まっていることが挙げられます。お住まいの市町村に電話で問い合わせれば健診(いわゆる住民健診)のスケジュールを教えてくれます。市町村のホームページでも確認することができます。
費用はかかりますが、人間ドックを受診してもよいでしょう。注意点として血糖値は食事の影響で数値が刻々と変わっていくために、その解釈には注意が必要になります。できるだけ午前中の朝食抜きの状態で採血検査を受けましょう。
医療機関や健診で糖尿病の疑いがあるから気をつけるようにと言われた場合
健診で医療機関を受診しなさいとは記載されていないものの、食事や運動に気をつけなさいと書かれてあった人もおられると思います。
また実際に医療機関を受診した際に糖尿病にまでは進行していないから通院は不要だが、糖尿病予備軍あるいは境界型糖尿病だから、食事療法や運動療法を頑張りなさいと指示された人もおられるでしょう。
食事や運動の効果を知るために、自分で血糖のチェックができる自己血糖測定という手段があります。これは自分で指先や手掌(たなごころ)から採血して、その血液を試験紙に反応させると、器械(簡易測定器を呼ばれています)が血糖値を表示してくれるものです。
採血と言うと恐そうですが、ごく少量の数滴の血液で測定するので、操作は簡単ですし、痛みもさほど強くはありません。簡易測定器も小型(スマートフォンよりもはるかに小さい)で軽量であり、操作も簡単です。
自己血糖測定を行うと、食事や間食、運動といった日常生活と血糖値との相関関係がはっきりわかりますので、何よりもモチベーションが上がるという効果があります。問題はコストがかかってしまうことです。
様々なメーカーから機能や価格も異なる自己血糖測定器(採血器具と簡易血糖測定器をまとめてこう呼びます)が発売されています。検索サイトでもある程度の比較は可能なのですが、やはりお近くの薬局で実際に手にとって使い勝手を比べる方がよいでしょう。
まとめ
血糖値や糖尿病が気になるときは血糖値のチェックが必要です
健診で異常を指摘された、あるいは糖尿病治療を中断している場合
何となく糖尿病が心配な場合
健診
医療機関や健診で糖尿病の疑いがあるから気をつけるようにと言われた場合