総合病院に勤務している糖尿病専門医は 糖尿病 内科 に所属していることが多いですが、病院によっては内分泌内科と表記されていることもあります。糖尿病専門医は数多くの種類がある糖尿病薬を上手に組み合わせて血糖コントロールを行なっていくことを得意にしています。
日本糖尿病学会のホームページから近くの糖尿病専門医を検索することができます。
糖尿病内科とは?内分泌内科との違いは?
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糖尿病内科
総合病院には循環器内科(心筋梗塞や心不全を担当する内科です)や消化器内科(胃腸や肝臓を診療します)と並んで糖尿病内科と表記されている場合があります。
糖尿病専門医は糖尿病診療のスペシャリストですが、総合病院に勤務している糖尿病専門医のほとんどは糖尿病内科に所属しています(小児科医など一部内科医ではない糖尿病専門医もいらっしゃいます)。
ややこしいのは、病院によっては内分泌内科、あるいは糖尿病・内分泌内科と表示されている場合があることです。
内分泌内科はホルモン(身体のバランスを調整しているもので、たくさんの種類があります)に関する病気を担当している内科と言うことができます。
糖尿病はインスリン(詳細については他項を参照してください)という膵臓から分泌されるホルモンとの関係が深いために糖尿病も内分泌内科と同じ医師が担当していることがほとんどです。
しかし、近年糖尿病患者さんが激増していること、さらには内分泌内科が糖尿病を担当している部門であることがわかりづらいという意見が多いために、糖尿病内科や糖尿病・内分泌内科と表示する病院が多くなっています。
糖尿病専門医
糖尿病専門医は外科系の先生における手術や消化器内科専門医の胃カメラのような必殺技をもっているわけではありません(ただし胃カメラも得意としている糖尿病専門医も存在しています)。必殺技がないかわりに、糖尿病の治療に精通しています。
現在、糖尿病に対して使用できる薬剤がたくさんあります(注射製剤はインスリンとGLP-1受容体作動薬の2種類。飲み薬はSU薬、DPP-4阻害薬、ビグアナイド薬、速効型インスリン分泌促進薬、インスリン抵抗性改善薬、SGLT2阻害薬、α-グルコシダーゼ阻害薬の7種類。詳細は他項を参照してください。ちなみに全て非専門医の先生でも処方することは可能です)、治療の選択肢が増えたメリットがある一方で、使い慣れていない医師には“多すぎて詳しく理解できない”という状態になっています。
さらにこれらの薬剤は組み合わせて使用することも可能です(多剤併用療法)。個々の患者さんに応じて適宜薬剤を組み合わせていくのですが、糖尿病専門医は非専門医に比べると圧倒的に治療のバリエーション、つまり“引き出し”が多いのです(経験している糖尿病患者さんの数が違うために当然です)。
また糖尿病治療には低血糖が問題になるケースが少なくありません(一部の糖尿病治療薬では低血糖は起こりません。低血糖の詳細は他項をごらんください)。つまり血糖値は高いのも問題ですが、低すぎるのも危険なのです。
この“高すぎず低すぎず”適切な血糖値に調整するのが糖尿病専門医の腕の見せ所です。
糖尿病専門医の探し方
お近くの糖尿病専門医を探すには日本糖尿病学会のホームページから検索すると便利です。
総合病院に勤務している場合もありますし、個人医院の開業医として診療している先生もいます。どちらも一朝一短で総合病院では他の病気について(例えば大腸がんで外科にもかかっている場合)も専門家にみてもらえるというメリットがある反面、各担当医はどうしても自分の担当疾患のみに関心がとどまる傾向があります。
例えば糖尿病外来で頭痛の相談をしてもあまり気にしてもらえない可能性があります(全ての糖尿病外来がそうだというわけではありません)。
逆に個人医院では糖尿病から頭痛まで幅広く相談できるという長所がありますが、特に糖尿病専門医の場合、専門外のおなかの病気や心臓の病気はどうしても手薄になりがちになります(これも先生によってかなり知識や力量の程度に差があります)。
他の病気の有無やアクセスのよさなど自分の状態によって使い分けるとよいでしょう。
まとめ
糖尿病内科とは?内分泌内科との違いは?
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糖尿病専門医
糖尿病専門医の探し方